2025年６月28日、FC東京が味の素スタジアムで横浜FCと対戦。これに敗れれば横浜FCに勝点１差に詰められるので絶対に白星を掴みたい下位対決だ。

　４−２−３−１システムで臨んだFC東京は立ち上がりから攻めの姿勢を見せるも、５分、一瞬の隙を突かれて失点。山田康太の絶妙なクロスに合わせた櫻川ソロモンのヘディングシュートで先制されてしまったのだ。

　その後、FC東京はなかなか試合のペースを握れない。CBコンビのアレクサンダー・ショルツと森重真人が横浜FCの１トップ＋２シャドーの３人（櫻川、ルキアン、室井彗佑）を捕まえるのに苦労する一方で、CFのマルセロ・ヒアンが敵３バックのマークに苦しむなど、攻守両面で問題を抱えていたのである。

　横浜FCにミスが目立ち始めた15分以降はボールポゼッションを高めたFC東京も、決定機を作るに至らなかった。右サイドハーフの遠藤渓太がスルーパスで、左サイドハーフの俵積田晃太がドリブルで局面を打開しようとしても、シュートに持ち込めず敵に阻止される。最終局面でのクオリティ不足は、今季のFC東京が抱える大きな課題に映った。
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　０−１で迎えた後半、どうにか追いつき、追い越したいFC東京は攻撃を仕掛ける。そして59分には仲川輝人、佐藤恵允、長倉幹樹とアタッカー３人を投入。勝負に出る格好となった。

　仲川と長倉が有機的にボールに絡む回数が増え、横浜FCによりプレッシャーをかけられるようになったFC東京は遠藤、長倉のシュートでGKを強襲。前半とは打って変わり敵陣でパスが回るようになり、ゴールへの匂いを漂わせた。

　79分に高宇洋が得たPKはショルツがまさかの失敗も、FC東京は終盤の85分にようやく追いつく。橋本拳人のクロスに合わせた長倉のヘディングシュートでタイスコアに戻したのだ。

　その後も攻め込んだFC東京は後半のアディショナルタイムに再びPKを獲得（ファウルをもらったのは長倉）。これを森重が冷静に決めて、ホームチームはGK野澤大志ブランドン（ベルギーのロイヤル・アントワープへ完全移籍）の移籍前ラストゲームで劇的な逆転勝利を飾った。

取材・文●白鳥和洋（サッカーダイジェストTV編集長）

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