昨季は先行逃げ切りで9割以上の勝率だったFC東京がなぜ? 逆転負けが続く要因

2016年07月14日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

先行逃げ切りで9割以上の勝率だったFC東京がなぜ? 逆転負けが続く要因は…

浦和に大逆転負けしたFC東京。FWのムリキ(11番)はゴールを奪うようになったが…。(C)SOCCER DIGEST

 昨季のFC東京は内容以上に結果を求めるスタンスでリーグ優勝を目指し、「まずはゼロに抑える」(森重)を合言葉に戦った結果、先制すれば勝率は約95パーセントと驚異的な数字を誇った。
 
 それが、今季はどうだ。第1ステージ7節の川崎戦、13節の浦和戦、第2ステージ1節の鳥栖戦、3節の福岡戦と、先行しながら逃げ切れない試合がリーグ戦で目に付く。浦和戦は2-0からひっくり返され、鳥栖戦と福岡戦は後半アディショナルタイムのゴールに沈むという、どれも悲劇的な敗戦だった。
 
 第1ステージの終盤から点は取れるようになってきたが、一方で失点も増えている。先行逃げ切りの必勝パターンに持ち込めない要因のひとつは、チーム全体のバランスの悪さにあるだろう。
 
 昨季の「まずはゼロに抑える」というような意思統一が、選手の口から聞けてもピッチの上ではいまひとつ感じられないのである。実際、攻撃的か、守備的に行くのか、そうしたコンセプトが見えない試合はいくつかあった。
 
 要因をもうひとつ挙げるなら、サブメンバーの構成だろうか。浦和戦(控えのメンバーはGK圍、DF吉本、MF河野、MF田邉、MF東、FW平山、FW前田)と福岡戦(GK圍、DF吉本、MF高橋、MF羽生、MF中島、FW平山、FW前田)はいずれもDF登録がひとり(CBの吉本)、鳥栖戦(GK圍、MF高橋、MF羽生、MF田邉、MF水沼、FW平山、FW前田)はDF登録がゼロ。ベンチの顔ぶれはどちらかと言えば攻撃色が強く、今季ここまでDFをベンチに入れない試合は他にもあった。
 
 例えば鳥栖戦は守備を固めるべき終盤の時間帯、森重と丸山の足が止まりかけていた状況で、CBの本職がベンチにいなかった。いずれにしても、城福監督の采配には改善の余地がありそうだ。
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