【川崎】毒舌の大久保が認める大島僚太の成長。ダメ出しから一転、「チームの心臓」とべた褒め

2016年07月14日

中村憲剛も「得点に絡めるようになったら、あいつは凄いことになる」と期待。

第2ステージ3節、“ワールドクラス”のミドルシュートを叩き込んだ大島(10番)。同世代の野津田に対する対抗心も覗かせた。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

 ワールドクラスの一撃。そう表現しても決して大袈裟ではないほど、それは鮮やかなミドルシュートだった。
 
 第2ステージ3節の川崎対新潟戦、川崎の1点ビハインドで迎えた38分、相手エリアのやや外でボールを受けた大島はワントラップすると、迷わずに右足を振り抜く。ジャストミートしたボールは、GK守田達弥が反応するよりも早く横をすり抜け、ゴール右上に突き刺さった。
 
 本人は「(車屋)紳太郎がボールを持った時、自分で打つつもりでサポートした。ボールを持ってから中は見なかった。打った時に良い感触があったので、入るかなと思いました」と振り返る。あっけらかんとしている風にコメントしたが、心底はやや異なった。
 
 新潟に奪われた先制ゴールは、リオ五輪世代でともに戦ってきた野津田岳人に浴びたもの。「僕自身が横パスを通させてしまい、その後の落とされたボールへのプレッシャーも甘かった。岳人にやられていたのも悔しかったので」。
 
 普段、物静かな男が覗かせた、同世代に対する対抗心。そうした想いも込められていたのだろう。大島は同点弾の後、「嬉しかった」とはばかることなく喜びを爆発させた。
 
 スタンドから観戦していた中村憲剛は「アイツはあまり欲があまりないし、表に出さないタイプ。でも得点に絡めるようになったら、あいつは凄いことになる」と期待を込める。
 
 この日、川崎が放ったシュートは19本(新潟は10本)。新潟に先制点を決められたが、その直後に相手選手が放った言葉を聞いて、大島は「押し込める」と確信したという。
 
「先制された後、相手が『ボランチのところからで、あまり前からプレスをかけなくていい』と聞こえて、『ああ、押し込めるな』と思いました」
 
 その結果が大島の同点弾であり、最終的に逆転勝利につながった。「相手を見ながらやろうというのはミーティングでも言われているし、そういう部分はすごくできているなと、試合をやりながら感じている」(大島)と確かな手ごたえを掴んでいる。
 
 

次ページ大久保は「ディフェンス面ですごい変わった。安心して見られる。素晴らしいですよ」とべた褒め。

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