【神戸】復帰戦は、まさかの逆転負け。リオ五輪代表の岩波を襲った悲劇と収穫とは?

2016年07月14日 本田健介(サッカーダイジェスト)

岩波個人のパフォーマンスは、負傷明けと考えれば決して悪くなかった。

5月末のトゥーロン国際大会で負傷して以来の実戦復帰となった岩波。試合後には悔しさを表わした。写真:徳原隆元

「5分」のアディショナルタイムが表示された直後のことだった。

 横浜の齋藤がドリブルで神戸左サイドに侵入すると、低くて速いクロスを入れる。その瞬間、相手選手がブラインドとなり、ボールは岩波の足に当たってゴール方向へ転がる、一時はGKのキム・スンギュが掻き出すも、待っていたマルティノスが難なく押し込んだ。
 
 J1第2ステージの3節、横浜対神戸の一戦は、神戸が55分までに2点のリードを得た。しかし、その後、横浜が追い上げ終了間際の劇的なゴールで3-2と逆転勝利を収めた。5月末のトゥーロン国際大会で左膝を負傷して以来、ようやく実戦復帰を果たせた岩波は、3失点目を防げなかった悔しさからか試合後、顔を歪めた。
 
「2-0という状態から逆転されたのでもったいない試合だったなと思いますし、簡単なミスから相手にカウンターを許すシーンが増えてきて、2点目を取ってから早い時間ですぐに1点を返されたので凄くきつくなりました。
 
 良い流れから2点目を取れたので、そのまま試合を進めるべきだったんですが、神戸が苦手とするリードしている状態で1点取られた時にどうやって進めていくかという課題を再確認しました。こういう勝点3の落とし方は凄くもったいないですし、これが上位との差かなと改めて感じました」
 
 CBとして悔いの残る逆転負け――チームの戦い方としても大きな課題が残った。しかし、岩波自身のパフォーマンスは、負傷明けと考えれば決して悪いものではなかった。
 
「個人的には満足というか、自分が思っていたよりプレーできましたし、2-0までは自分のなかでイメージどおりというか、手応えはありました。でも、結果的に負けてしまったので、もっと自分にできることはあったのかなと思います」

次ページ球際の競り合いで感じた完全復活への手応え。

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