“連続昇格”への野望。「『バーミンガムに不可欠』『あいつ1人で結果が変わる』と言われる存在に」【岩田智輝 1万字インタビュー#4】

2025年06月08日 元川悦子

「良い監督の下でやれているなという実感があります」

新シーズンは英2部に挑む岩田。「最速でプレミアに上がることが一番の目標」だ。写真:元川悦子

 2024-25シーズンのイングランド・フットボールリーグ1(3部に相当)を制し、2年ぶりにチャンピオンシップ(2部に相当)に挑むことになったバーミンガム・シティ。彼らが目ざすのは、2010-11シーズン以来のプレミアリーグ復帰に他ならない。

 田中碧がプレーした昨季のリーズ・ユナイテッドが3シーズンぶりの最高峰リーグ昇格を果たしたように、名門のバーミンガムにも十分ポテンシャルがあるはずだ。

 主軸を担う岩田智輝も「最速でプレミアに上がることが一番の目標。そのためにも、常に試合に出られるように良いコンディションを保ち、自分自身を進化させ続けないといけない」と意気込みを新たにしている。

「クリス・デービス監督が積み上げてきた『ビルドアップを大事にするサッカー』がチャンピオンシップでどれだけ通用するか。それは僕自身もすごく楽しみなところです。

 バーミンガムは今季、そのスタイルを突き詰めてきて、相手がどれだけうまくても、前から来ても剥がせましたし、自信を持ってつなぐことができた。監督が相手の出方に対するオプションを複数持っていて、僕らも対策をしっかり講じて挑めた。監督の準備力がすごく高かったですし、良い監督の下でやれているなという実感があります。

 彼がポステコグルー監督、ロジャーズ監督(セルティック)と一緒に仕事をしていなければ、僕を取ることもなかったと思う。選手にとってはこういう出会いがすごく大事ですね」と、岩田は自分自身を伸ばしてくれた指揮官とともに成功を収めたいという気持ちが強い様子だ。
 
 チャンピオンシップに参戦すれば、肉体的な負荷も強度もさらに上がるはず。岩田はセルティック時代に出会った日本人トレーナーの指導のもと、徹底したコンディショニングを行なっており、それが24-25シーズンは怪我なしでフル稼働できた要因と考えており、今後も継続し、良い状態をキープしていく構えだ。

「今季は欠場が2試合だけでフルシーズン、プレーできたのが一番大きかったし、成長にもつながったと考えています。海外に行くと、日本のようなキメ細かいケアをクラブのメディカルスタッフやトレーナーにしてもらえないのが普通。セルティック時代に怪我をして困っていた時、知り合いを通じて紹介してもらったトレーナーが電気治療などをオンラインで指導してくれるので、すごく助かっています。

 イングランドの2部や3部は激しいリーグ。だからこそ、余計に怪我をしない屈強な身体が重要になる。強さや速さといった能力を引き上げることも大事ですけど、ケアの部分も意識を高めていく必要があると思います」

 こう話す岩田は、オフの一時帰国中もトレーニングやケアを欠かさない。インタビュー当日も「今、トレーニングしてきたんですよ」と爽やかな笑顔を見せていた。

 6月中旬には再びイングランドに戻り、ポルトガルでのキャンプインに備えるというが、ここからが本当の勝負となるのだ。

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