「ベルギーはチームよりも個人がどう活きるか」三好康児が体感したJリーグと欧州3か国リーグの違い。ブンデスリーガは「簡単じゃない」

2025年06月08日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

「ベルギーはステップアップしたい選手が多いリーグ」

Jリーグを経て欧州3か国でのプレーを経験した三好に、それぞれのリーグの違いを訊いた。写真:滝川敏之

 小柄ながら俊敏性を活かしたドリブルは観る者を魅了する。日本が誇るテクニシャン三好康児は、川崎フロンターレから国内クラブへのレンタルを経て、2019年8月にベルギーのアントワープへ移籍し、初の海外挑戦。その後、バーミンガム(イングランド)、ボーフム(ドイツ)と渡り歩き、異なるサッカーに触れてきた28歳が語る、それぞれのリーグの特徴とは。

 三好が感じたJリーグとヨーロッパの肌感覚の違い、そしてベルギー、イングランド、ドイツ、それぞれの舞台で感じた挑戦のリアルを訊いた。

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 三好が最初に降り立ったヨーロッパの地、ベルギー。そこにはJリーグとは異なる環境が待ち受けていた。

「ベルギーリーグは、本当にいろんな多国籍な選手がいる。チームによっても違いますけど、アフリカ、南米、ヨーロッパ、本当に様々な国の選手がいる」と、多様性を語る。この多国籍性は、リーグの特性にも影響を与えているようだ。

「ベルギーは、ステップアップしたい選手が多いリーグ。トップリーグに行くための糧として来る若い選手が多いなかで、自分もその一員でした」
 
 若い才能がひしめき、個々のアピールが重要視される環境は、チーム作りにも独特の難しさをもたらす。

「毎年度、選手がガラっと入れ替わるようなチームで、何かを構築していくのは難しい。すごく大変なリーグだなと思いました。そのなかで連係を重視したプレーを得意とする自分みたいな選手は、最初はやっぱり難しかったです」

 ベルギーでの難しさを語った三好に、Jリーグとの違いについて訊くと、「Jリーグのほうがやりやすかった」としてこう続けた。

「日本はチームとしてこういうプレーをしたい、というのを監督が示してくれて、自分の役割を認識しやすかった。ベルギーリーグは少なくともチームよりも個人がどう活きるか。もちろんチームや監督によって違いますけど、僕の肌感としては自分がどう生きていくか、自分がどうステップアップするかを考えて、それぞれが見せ方を表現しないといけなかった。

 チームメイトからボールを受ける時点で、どこで受けたいかを本当に主導的にやっていかないと、受け身な状態になっちゃうと何もできず終わる。それはJリーグとは違うのかなと思います」
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