FC東京は茫然…。ミラクル鳥栖が後半ATの2ゴールで“劇的すぎる”大逆転勝利!

2016年07月02日 サッカーダイジェスト編集部

90+3分までリードしていたのはFC東京だったが…。

最後まで走り抜いた鳥栖のキム・ミヌ。豊田の決勝弾のきっかけを作ったのはこのキャプテンだ。(C)J.LEAGUE PHOTO

[J1第2ステージ1節]鳥栖3-2FC東京 7月2日/ベストアメニティスタジアム
 
 FC東京の"新旧"指揮官対決は、ホームの鳥栖が劇的すぎる展開でアウェーのFC東京を3-2で下す結果に終わった。
 
 開始直後にいきなりチャンスを作ったのは、鳥栖。CKのチャンスから最後は鎌田がボレーシュートを放ったが、これは惜しくも枠を外れた。すると、11分には一瞬の隙を突かれてホームで先行されてしまう。ドリブルでサイドを駆け上がったN・バーンズのクロスからフリーのムリキに決められ、あっさりとゴールを許した。
 
 良い時間帯にリードしたアウェーのFC東京は、組織的なディフェンスをベースとした戦い方でピンチの芽を摘む。森重と丸山の両CBに、橋本と米本のボランチコンビが軸の守備ブロックは文字通り堅固で、試合の流れは徐々にFC東京へと傾いていった。
 
 30分過ぎからセカンドボールを拾えるようになったFC東京は、N・バーンズ、橋本などがカウンターを仕掛け、鳥栖を揺さぶる。盤石とは言わないまでも、アウェーチームは鳥栖の攻撃に上手く対応してチャンスを与えなかった。
 
 ともに守備を持ち味にするチームの対戦とあって、後半に入って10数分は我慢比べが続く。鳥栖が後方から組み立てようとしてもFC東京のプレスに引っ掛かり、かといってボールを奪ったFC東京も鳥栖のチェックに苦しんで効果的な攻撃を展開できない。
 
 しかし、なかなか攻め手のなかった鳥栖がCKから同点に追いつく。58分、富山の蹴ったボールがそのままゴールネットを揺さぶり(富山にとっては今季リーグ初得点)、試合は1-1のタイスコアになった。何人かの選手がブラインドになってボールが見えなかったFC東京のGK秋元にとっては、不運な失点とも言えた。
 
 これで気落ちしたかと思われたFC東京だが、62分にビッグチャンスをモノにする。またしてもN・バーンズのクロスから、今度は河野が左足で技ありシュートを叩き込んで再びリードを奪った。
 
 ホームで負けられない鳥栖は70分に谷口のボレーなどでゴールを強襲するが、疲労が色濃くなった終盤はミスも目立って決定機を作れず……。しかし、後半のアディショナルタイム、誰も予想できないようなドラマが待っていた。
 
 90+4分、早坂の突破からゴール前でフリーの池田が同点弾を叩き込むと、その直後の90+5分、キム・ミヌの縦パスに反応した高橋のクロスからエースの豊田がヘディングで逆転弾を突き刺す。そして豊田のゴールが決まった直後に試合終了のホイッスル。FC東京のイレブンが信じられないという表情を浮かべるなか、ドラマチックな展開で鳥栖が激戦を制した。
 
 殊勲者のひとり、池田は「最高に気持ちいい」とコメント。同点ゴールについては「ほぼ早坂さんのゴール」と謙虚に答えていた。
 
 そして決勝ゴールの豊田も「(ゴールシーン)振り返る必要があるかどうかは分かりませんが、僕以上に皆さん(サポーター)が興奮していると思うので、帰ってビデオを観てください」と笑顔で話していた。

 FC東京にとっては残酷な、鳥栖には地獄から天国にのぼるような結末となった。
 
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