2000円は高い? 安い? 大学サッカー“有料化”の取り組み。リーグ戦を盛り上げるための施策、チーム強化や運営費などの原資に

2025年04月17日 小室功

ホームチームが独自にチケットを販売

今年度よりクラブチケッティング制度を活用するのが、流通経済大、筑波大、東海大、桐蔭横浜大、中央大の5大学だ。写真:小室功

 大学サッカー界の主要リーグである関東大学リーグでは、さらなる競争力の向上とともに、より良い環境作りを目ざし、様々な施策に取り組んでいる。

 そのひとつが、試合会場の選定だ。以前は、公共のグラウンドを利用したり、同一グラウンドで2試合をこなすことも少なくなかった。だが、2年前から移行した12チームずつの3部リーグ制を契機に、ホーム&アウェーを原則にリーグ戦を開催している。

 流通経済大の監督であり、(一財)関東大学サッカー連盟の理事長でもある中野雄二氏が、その狙いについて次のように語っている。

「リーグ戦といえば、世界のどこを見渡してもホーム&アウェーが原則でしょう。そうした環境というか、文化を大学サッカーのなかでも根づかせたいと考えています。たとえば、自分たちの大学のグラウンドで試合をやっていたら、サッカー部以外の学生も"ちょっといってみようか"となるのではないか。

 友だちが友だちを呼ぶというか、少しでも試合を見にきてくれる人が増えてくれたら、選手たちにとってこれほど嬉しいことはないはずです。確かに地道な取り組みかもしれません。でも、"大学サッカー界が何かを始めたぞ"と感じてもらえるように、みんなでアイデアを出し合いながら、積極的にチャレンジしていきたいと考えています」

 観戦用スタンドが設置されているか、どうか。大学によって多少グラウンド事情は異なるものの、昨今、ほとんどの大学が人工芝のサッカーグラウンドを有していることもあり、ホーム&アウェーの開催が十分可能ではないかと判断した。

 今年度からその歩みを、さらに推し進めている。関東大学サッカー連盟では、ホームチームが独自にチケットを販売し、その収益を得ることができるクラブチケッティング制度を導入。今シーズン開幕前のオンライン記者会見のなかで、同連盟の櫻井友専務理事がこう趣旨を説明している。

「大学サッカーはアマチュアなので、入場料を受け取ることに対していろいろな意見がありますが、近年の大学サッカーのレベルを考えると、それだけの価値はあるのではないかと感じています。ホームゲームで得た収益をチームの強化や施設の拡充にあてることで、より競技力が高まり、さらに大学サッカーの価値も上がっていく。リーグ戦を盛り上げるための施策なので、(多くの方々に)ご理解していただき、応援していただきたいです」
 
 同連盟では、有料試合を開催するにあたり、一定の条件を課している。それは「税制上の問題や会計面の透明性を担保するために法人格を有すること」(櫻井専務理事)だ。入場料金の設定やチケットの販売方法など、ホームの大学に一任するぶん、収益の管理・運用に万全を期すというわけだ。

 今年度からさっそくクラブチケッティング制度を活用するのが、流通経済大、筑波大、東海大、桐蔭横浜大、中央大の5大学になる。4月12日のリーグ戦第2節、茨城・流通経済大学龍ケ崎フィールドで行なわれた流通経済大対筑波大が、その対象試合だった。

 チケット販売に携わる流通経済大学サッカー部の手呂内勝政コーチは「初めての取り組みなので、まだまだ手探り状態」と語りつつ、こう続けた。

「試合のチケットは前売り券と当日券の2つのパターンを用意し、購入方法は電子決算と現金です。今の若い人たちはスマホでの電子決算に慣れていると思いますが、年配の方など、電子決算に慣れていない人も少なくないので、現金による支払いにも対応できるようにしています。

 ただ、そうなると、当日どのくらいお釣りを用意しておいたらいいのか、まったく分かりません(苦笑)。対戦カードによって集客人数も変わってくるでしょうし、いろいろな面でしばらくは試行錯誤ですね」

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