後輩たちの前で奮闘。流経大CB塩川桜道がしみじみ「刺激的な一日でした」。強烈な危機感も吐露「今のままではW杯メンバーに入れない」

2025年04月15日 安藤隆人

内野航太郎と小林俊瑛の2トップと激しいバトル

Jクラブから注目される塩川。1対1の強さやフィードを武器とするCBだ。写真:安藤隆人

 4月12日、流通経済大学龍ヶ崎フィールドで、流通経済大柏高校と流通経済大学の公式戦ダブルヘッダーが行なわれた。

 第一試合のプレミアEAST第2節・流通経済大柏vs.昌平の試合では、流通経済大柏が圧倒的な力を見せて3-0で快勝。その熱気が残ったピッチで、第二試合は関東学生サッカーリーグ1部の第2節・流通経済大vs.筑波大の一戦が幕を開けた。

「後輩たちのプレーを見て、ものすごく刺激を受けましたし、先輩として恥ずかしいプレーは見せられなかった」

 こう口にしたのは2年生CBの塩川桜道。186センチのサイズとずば抜けた身体能力を駆使した空中戦と1対1の強さ、フィードを武器とし、流通経済大柏時代からU-18日本代表に選ばれるなど、大きなポテンシャルを持ったCBとして注目されていた。

 だが、「プロではまだ通用しないと思っていたので、早い段階から流大に進学することを希望していた」と、大学経由でプロを目ざす道を選んだ。

 それから2年、昨年には、旗手怜央(順天堂大、現・セルティック)や上田綺世(法政大、現・フェイエノールト)、角田涼太朗(筑波大、現・カーディフ・シティ)、安斎颯馬(早稲田大、現・FC東京)、諏訪間幸成(筑波大、現・横浜F・マリノス)と錚々たるメンバーが選出されてきた関東1部リーグの新人賞に選ばれ、今年2月にはU-20日本代表の一員としてU-20アジアカップに出場。グループステージ初戦のタイ戦では市原吏音(RB大宮アルディージャ)と共にCBコンビを形成した。この試合以外での出番はなかったが、世代屈指のCBとして注目を集める存在であることは間違いない。

 筑波大戦では後輩たちがスタンドで見つめるなか、3バックの右CBで出場した塩川は、得意の高い打点のヘッドと球際の強さを発揮。こちらも世代屈指のストライカーであり、一昨年度の新人賞を獲得した186センチの内野航太郎、190センチの小林俊瑛の筑波大2トップと激しいバトルを繰り広げた。

 10分に筑波大のMF廣井蘭人に先制を許すも、それ以降の流通経済大は守備に綻びを出さずに、45分のMF寳船月斗のスーパーゴールで追いつきドロー決着。勝利で続くことはできなかったが、塩川は先輩として成長した姿を見せることはできた。
 
「僕が高校3年生の時に、初めてこの会場で高校と大学の公式戦がダブルで行なわれて、(今回のダブルヘッダーは)それ以来のことでした。あの時は前橋育英に0-1で負けて、その悔しさを持った状態で大学生の試合を見たのですが、先輩たちが見せたスピードや強度、技術に圧倒されて『僕もこうなりたい』と思ったのを覚えています。

 あれから2年が経って、今度は自分が付属の選手たちが見る前で、大学生としてプレーすることになったので、少し感慨深いものはありました」

 フィジカルは高校時代より一回りも二回りも大きくなった。声を出して仲間を鼓舞したり、全体を見てラインコントロールやカバーリングをしたりする姿も凄みが出てきた。

「U-20アジアカップは他の大会と雰囲気が全然違いました。アジアの国々の日本に対する圧が凄まじかったし、1つのミスも許されないという緊張感が凄まじかった。でも、この雰囲気を味わえたからこそ、気づけたものもあったし、何より日本を代表して戦うことの誇りは本当に大きかった。だからこそ、今のままじゃダメなんです」

 表情が一気に引き締まった。そして、現状に対する強烈な危機感を吐露した。

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