狙い通りの決定機を迎えるも
湘南では悔しすぎる決定逸。しかしその経験をつなげてみせた。(C)SOCCER DIGEST
証明に照らされたピッチを、それこそ何度も何度も、叩く姿がそこにはあった。
川崎U-18出身で、プロ1年目はリーグデビューは果たせず、2年目の昨季はJ3の福島にレンタル移籍してブレイク。そして川崎へ復帰して迎えた3年目。大関友翔が何より心待ちにしたプロとしての"等々力デビュー"が、4月2日、8節の湘南戦でついに叶った。
ベンチから送り出されたのは82分。ユース出身選手誰もが憧れる中村憲剛の14番を継承した脇坂泰斗と交代で入ったのも何かの暗示か。ひと言、ふた言、その先輩と言葉をかわしながらピッチに足を踏み入れた大関は、4-2-3-1のボランチとしてではなくトップ下で、1点リードしていたチームのために前線から守備へと走った。
その献身性が称えられてか、試合終了間際の89分、大関に決定機が訪れる。相手最終ラインの裏へ走ったCFエリソンへ後方からロングボールが送られると、DFのヘディングでのクリアを拾った大関はエリア内に侵入。まさに狙い通りの形だった。等々力でのデビュー戦でゴール奪えればこれ以上ないアピールになる。しかし、渾身のフィニッシュは――相手DFに阻まれた。
そのこぼれ球から左の宮城天につながり、宮城がPKを獲得。スタジアムやチームメイトが沸くなか、仲間の活躍を喜びながらも、ピッチを何度も叩いて悔しがっていたのが大関だった。
宮城がPKを確実に決めて試合は2-0で終了。大関は最後までチームのために走り、勝利をサポーターとともに祝ったが、やはり、胸に押し上げてきたのは後悔だった。
福島で輝きを放ったMF大関友翔が川崎復帰を決めるまで。ケンゴさん、セキさん、周平さんに背中を押された言葉と"川崎の伝統を継ぐ者"への期待【インタビュー】
川崎U-18出身で、プロ1年目はリーグデビューは果たせず、2年目の昨季はJ3の福島にレンタル移籍してブレイク。そして川崎へ復帰して迎えた3年目。大関友翔が何より心待ちにしたプロとしての"等々力デビュー"が、4月2日、8節の湘南戦でついに叶った。
ベンチから送り出されたのは82分。ユース出身選手誰もが憧れる中村憲剛の14番を継承した脇坂泰斗と交代で入ったのも何かの暗示か。ひと言、ふた言、その先輩と言葉をかわしながらピッチに足を踏み入れた大関は、4-2-3-1のボランチとしてではなくトップ下で、1点リードしていたチームのために前線から守備へと走った。
その献身性が称えられてか、試合終了間際の89分、大関に決定機が訪れる。相手最終ラインの裏へ走ったCFエリソンへ後方からロングボールが送られると、DFのヘディングでのクリアを拾った大関はエリア内に侵入。まさに狙い通りの形だった。等々力でのデビュー戦でゴール奪えればこれ以上ないアピールになる。しかし、渾身のフィニッシュは――相手DFに阻まれた。
そのこぼれ球から左の宮城天につながり、宮城がPKを獲得。スタジアムやチームメイトが沸くなか、仲間の活躍を喜びながらも、ピッチを何度も叩いて悔しがっていたのが大関だった。
宮城がPKを確実に決めて試合は2-0で終了。大関は最後までチームのために走り、勝利をサポーターとともに祝ったが、やはり、胸に押し上げてきたのは後悔だった。
福島で輝きを放ったMF大関友翔が川崎復帰を決めるまで。ケンゴさん、セキさん、周平さんに背中を押された言葉と"川崎の伝統を継ぐ者"への期待【インタビュー】
試合後には「悔しいです」と何度も繰り返した。
「あれは決めたかった。等々力のピッチに立てたことはポジティブに捉えたいです。自分はアウェーでの試合が多かったので、フロンターレのチャントがあれほど後押しになると改めて実感しました。でも僕はチャンスを確実にモノにしていかなくてはいけない立場。だから、悔しい想いと嬉しい想い、9対1くらいの割り合いですね。
(シュートシーンに関しては)コースは見えていたのですが、冷静さを欠きました。あまりにフリーだったので。その2秒前くらいから自分のところにこぼれてくると予測していたんです。エリソンが競った時にこぼれてくるという予測のもと、あまりに上手くいきすぎて固くなってしまいました。考えすぎたのと、決めたいという欲求が出すぎて、左のコースが空いていたのに、右に打ってしまった。本当に悔しいです。あそこで左足に持ち変えるとか、もっと時間をかけて、キーパーを見て決められれば良かったのですが...」
宮城がPKを決めた後、大関の下にすっと歩み寄った先輩FWの山田新からは慰められたという。その後もチームの皆から「決めろよ」とツッコミを入れられたというが、それは仲間たちなりの温かな後押しだったのだろう。大関もそれを理解しているからこそ、次こそはと闘志を燃やした。
試合後には憧れの中村憲剛からも「(等々力デビュー)おめでとう。でもチャンスを待っている選手はたくさんいる。だからこそ今度は決めないとな」と発破をかけてもらったという。そのひと言も大関の大きなエネルギーになったに違いない。
そして迎えた4月9日の横浜との"神奈川ダービー"。等々力での一戦でボランチとして先発を飾った大関は、7分に迎えた決定機を今度こそ冷静に決めてみせた。湘南戦での悔しさをしっかり昇華させ、ネットを揺らした姿は見事であった。これが嬉しいJ1初ゴールである。しかし、試合後には攻守で多くの反省が残ったと語るのが彼らしいところである。
U-20日本代表の10番・大関友翔を突き動かすロス五輪への決意。背景にあった悔しすぎた経験と川崎での新背番号「16」への想い【インタビュー】
【画像】際立つデザインがずらり! Jクラブの2025年シーズン新ユニホームを特集!
【画像】小野伸二や中村憲剛らレジェンドたちが選定した「J歴代ベスト11」を一挙公開!
「あれは決めたかった。等々力のピッチに立てたことはポジティブに捉えたいです。自分はアウェーでの試合が多かったので、フロンターレのチャントがあれほど後押しになると改めて実感しました。でも僕はチャンスを確実にモノにしていかなくてはいけない立場。だから、悔しい想いと嬉しい想い、9対1くらいの割り合いですね。
(シュートシーンに関しては)コースは見えていたのですが、冷静さを欠きました。あまりにフリーだったので。その2秒前くらいから自分のところにこぼれてくると予測していたんです。エリソンが競った時にこぼれてくるという予測のもと、あまりに上手くいきすぎて固くなってしまいました。考えすぎたのと、決めたいという欲求が出すぎて、左のコースが空いていたのに、右に打ってしまった。本当に悔しいです。あそこで左足に持ち変えるとか、もっと時間をかけて、キーパーを見て決められれば良かったのですが...」
宮城がPKを決めた後、大関の下にすっと歩み寄った先輩FWの山田新からは慰められたという。その後もチームの皆から「決めろよ」とツッコミを入れられたというが、それは仲間たちなりの温かな後押しだったのだろう。大関もそれを理解しているからこそ、次こそはと闘志を燃やした。
試合後には憧れの中村憲剛からも「(等々力デビュー)おめでとう。でもチャンスを待っている選手はたくさんいる。だからこそ今度は決めないとな」と発破をかけてもらったという。そのひと言も大関の大きなエネルギーになったに違いない。
そして迎えた4月9日の横浜との"神奈川ダービー"。等々力での一戦でボランチとして先発を飾った大関は、7分に迎えた決定機を今度こそ冷静に決めてみせた。湘南戦での悔しさをしっかり昇華させ、ネットを揺らした姿は見事であった。これが嬉しいJ1初ゴールである。しかし、試合後には攻守で多くの反省が残ったと語るのが彼らしいところである。
U-20日本代表の10番・大関友翔を突き動かすロス五輪への決意。背景にあった悔しすぎた経験と川崎での新背番号「16」への想い【インタビュー】
【画像】際立つデザインがずらり! Jクラブの2025年シーズン新ユニホームを特集!
【画像】小野伸二や中村憲剛らレジェンドたちが選定した「J歴代ベスト11」を一挙公開!