個人としてもチームとしてもパワフルな攻撃ができていない
1試合未消化で暫定19位の横浜FM。トンネルからなかなか抜け出せずにいる。(C)SOCCER DIGEST
スティーブ・ホーランド監督が率いる横浜F・マリノスは、開幕8試合で1勝4分け3敗の戦績で勝点7。ACLエリートの影響により1試合、消化が少ないながら、暫定19位と苦しいスタートになっている。
やはり気になるのは、リーグ最少の4得点という数字だ。失点が6と守備は安定しているが、何しろ点が取れない。"アタッキングフットボール"を掲げて、常にトップレベルのシーズン得点数を誇ってきたチームが、ここまで様変わりしてしまったのには明確な理由がある。
ホーランド監督は就任にあたり、昨シーズンは9位に終わったチームがリーグ3位タイの61得点を記録した一方で、4番目に多い62失点を喫していることに着目し、まず失点数を減らすことが上位進出の鍵になると主張していた。
もちろん、そのために得点が減ってしまえば本末転倒であることは百も承知のはずだが、守備を組織的に整備することと、持ち前の攻撃力は両立できると踏んでいたのだろう。
もともと3-4-3をベースにスタートしたが、アルビレックス新潟との開幕戦で圧倒的に押し込まれて、苦しみながらもなんとか終盤にアンデルソン・ロペスのPKで追いつき、1-1で引き分けたのを最後に、4バックに変更して守備をさらに安定させた。
しかし、守備の整備が攻撃と噛み合わずに、チャンスも限られてしまっていることが、そのまま得点力のダウンに結びついてしまっているようだ。昨シーズンの得点王であるA・ロペスが、上記のPKによる1点しか取れていないのが象徴的だ。
筆者の見解としては、得点力が上がらない3つの大きな理由がある。1つはボールの奪いどころが低く、高いポジションで自分たちの攻撃をスタートできていないこと。それにより相手ゴール前の距離が遠くなることに加えて、アタッカーも守備のリトリートやプレスバックにエネルギーを使ってしまっているので、個人としてもチームとしてもパワフルな攻撃ができていないのだ。
やはり気になるのは、リーグ最少の4得点という数字だ。失点が6と守備は安定しているが、何しろ点が取れない。"アタッキングフットボール"を掲げて、常にトップレベルのシーズン得点数を誇ってきたチームが、ここまで様変わりしてしまったのには明確な理由がある。
ホーランド監督は就任にあたり、昨シーズンは9位に終わったチームがリーグ3位タイの61得点を記録した一方で、4番目に多い62失点を喫していることに着目し、まず失点数を減らすことが上位進出の鍵になると主張していた。
もちろん、そのために得点が減ってしまえば本末転倒であることは百も承知のはずだが、守備を組織的に整備することと、持ち前の攻撃力は両立できると踏んでいたのだろう。
もともと3-4-3をベースにスタートしたが、アルビレックス新潟との開幕戦で圧倒的に押し込まれて、苦しみながらもなんとか終盤にアンデルソン・ロペスのPKで追いつき、1-1で引き分けたのを最後に、4バックに変更して守備をさらに安定させた。
しかし、守備の整備が攻撃と噛み合わずに、チャンスも限られてしまっていることが、そのまま得点力のダウンに結びついてしまっているようだ。昨シーズンの得点王であるA・ロペスが、上記のPKによる1点しか取れていないのが象徴的だ。
筆者の見解としては、得点力が上がらない3つの大きな理由がある。1つはボールの奪いどころが低く、高いポジションで自分たちの攻撃をスタートできていないこと。それにより相手ゴール前の距離が遠くなることに加えて、アタッカーも守備のリトリートやプレスバックにエネルギーを使ってしまっているので、個人としてもチームとしてもパワフルな攻撃ができていないのだ。
ホームで0-0の引き分けに終わった東京ヴェルディとの試合で、分かりやすいシーンがあった。41分、東京Vの自陣からのビルドアップに対して、横浜FMはFWの植中朝日と右サイドハーフの井上健太が2枚で前からプレッシャーをかけて、そこにセカンドトップの天野純と左サイドハーフの遠野大弥が連動して、ボランチのジャン・クルードも引いて縦パスを受けようとするFW染野唯月をタイトにマークした。
さらに左サイドバックの永戸勝也も右ウイングバックの宮原和也をチェックに来た。そこで3バック中央の林尚輝から横パスを受けた右センターバックの綱島悠斗が齋藤功佑にショートパスを当てて、リターンをボランチの平川怜に付けると、喜田拓也が手前から素早くチェックに入った。
この時点で横浜FMは7人が相手陣内でプレスをかける状況だったが、平川から左センターバックの谷口栄斗にボールが出て前を向くと、そこに誰もプレスをかけることなくリトリートしてしまう。
谷口がそのまま持ち上がる間に、永戸が下がって4バックを整え直し、ジャン、喜田、井上の3人も自陣まで下がった。その間に谷口は余裕を持って右のオープンスペースを走る宮原にサイドチェンジのパスを展開。下がりながらディフェンスラインに復帰した永戸はワイドに開き直して宮原に対応したが、右足のクロスからボックス内でFW木村勇大に合わされた。センターバックのジェイソン・キニョーネスが身体を寄せており、GK朴一圭も落ち着いたポジションを取っていたためか、木村のシュートはゴール右に外れた。
ハイプレスがうまくハマらなかった状況で、臨機応変にリトリートして危機を逃れたようにも見えるが、見方を変えればハイプレスをかけたにもかかわらず、リトリートに帰る判断が早すぎて、谷口に簡単に前に運ばれて、そこにプレッシャーがかからないままサイドチェンジのパスを出されたことで、守備にかなりのエネルギーをかけてしまったことになる。
こうしたシーンが、この東京V戦に関わらず多く見られることは問題点の1つだ。
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さらに左サイドバックの永戸勝也も右ウイングバックの宮原和也をチェックに来た。そこで3バック中央の林尚輝から横パスを受けた右センターバックの綱島悠斗が齋藤功佑にショートパスを当てて、リターンをボランチの平川怜に付けると、喜田拓也が手前から素早くチェックに入った。
この時点で横浜FMは7人が相手陣内でプレスをかける状況だったが、平川から左センターバックの谷口栄斗にボールが出て前を向くと、そこに誰もプレスをかけることなくリトリートしてしまう。
谷口がそのまま持ち上がる間に、永戸が下がって4バックを整え直し、ジャン、喜田、井上の3人も自陣まで下がった。その間に谷口は余裕を持って右のオープンスペースを走る宮原にサイドチェンジのパスを展開。下がりながらディフェンスラインに復帰した永戸はワイドに開き直して宮原に対応したが、右足のクロスからボックス内でFW木村勇大に合わされた。センターバックのジェイソン・キニョーネスが身体を寄せており、GK朴一圭も落ち着いたポジションを取っていたためか、木村のシュートはゴール右に外れた。
ハイプレスがうまくハマらなかった状況で、臨機応変にリトリートして危機を逃れたようにも見えるが、見方を変えればハイプレスをかけたにもかかわらず、リトリートに帰る判断が早すぎて、谷口に簡単に前に運ばれて、そこにプレッシャーがかからないままサイドチェンジのパスを出されたことで、守備にかなりのエネルギーをかけてしまったことになる。
こうしたシーンが、この東京V戦に関わらず多く見られることは問題点の1つだ。
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