平畠啓史チョイス“至極の11人”|京都守護神のプレーには“心を感じる”。サッカーへの思い、生き様が伝わってくる【J1月間ベストイレブン3月】

2025年04月02日 平畠啓史

ピッチに立つ姿はまるでラガーマンのようだった

平畠氏が選出した3月のJ1月間ベストイレブン。(C)SOCCER DIGEST

 芸能界屈指のサッカー通で、J1からJ3まで幅広く試合を観戦。Jリーグウォッチャーとしておなじみの平畠啓史氏がセレクトする「J1月間ベストイレブン」。3月の栄えある11人はどんな顔ぶれになったか。

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 暖かくなったり寒くなったりと安定しない気候に加えて、花粉だ黄砂だと春は難敵が多い。そんな3月のJ1リーグは基本4試合。ACL組は3試合を戦うことになったが、またまた勝手ながら、そんな3月のベストイレブンとMVPをセレクトした。

 まずはGKといきたいところだが、今回はGKがMVPなので最後にご紹介する。

 DFは綱島悠斗(東京V)、安藤智哉(福岡)そして昌子源(町田)の3枚。3月は3勝1分けで負けなしの町田のディフェンスの中でも、昌子は安定感抜群。堂々の存在感で落ち着いた対人守備、そして安定したボール扱いから前線への好フィードで攻撃の起点にもなっていた。

 2試合連続ゴールも決めた綱島。プレーにスケール感があり、ドリブルでの持ち運びにも余裕がある。そしてヘディングシュートのいわゆる当て感が絶妙。ヘディングの時にも体勢に余裕があるので、無理に身体や首をひねったりすることなく、ボールをヘディングで無理なくゴール方向に持っていくことができる。今シーズンはセットプレーでさらに得点を重ねそうだ。

 安藤も2試合連続ゴールを決めた。J3、J2を経験し、今シーズンから戦いの舞台をJ1に移した安藤。190センチと長身ながら身のこなしはスムーズで、ヘッドギア着用の町田戦では、その立派な体格がゆえに、ピッチに立つ姿はまるでラガーマンのようだった。

 今治に在籍時、ゴールカバーに入った安藤は空中のボールをヘディングしたが、その勢いで頭がクロスバーに当たった。長身とはいえジャンピングヘッドで頭がクロスバーに到達する選手はめったにお目にかかれない。キックも正確でPKのキッカーも任されていた。引き出しの多い安藤は今シーズンのJ1の中でも注目のディフェンダーの一人だ。
 
 右のワイドには、鹿島の中盤の右に欠かせない小池龍太。とにかくポジショニングが絶妙。オフ・ザ・ボールの時にでも相手に影響を与えられる選手。ポジショニングの良さがゆえにボールを受けると即座に攻撃に移ることができ、攻守両面で素晴らしい活躍を見せている。

 左のワイドには柏の小屋松知哉。もともと個で突破できる選手ではあるが、さらに磨きがかかっている印象。リカルド・ロドリゲス監督のサッカーにおいて小屋松は欠かせない選手の一人である。

 ボランチは樋口雄太(鹿島)と見木友哉(福岡)。右足の正確なキックでチャンスを生み出す樋口。ボールを蹴る時の角度と身体のひねりが生み出す鋭いボールで、エキサイティングなシーンを作り出す。鹿島のサッカーの核であり、替えのきかない存在になっている。

 ミスが少ない見木は福岡の中盤に欠かせない。攻撃的センスも抜群で、攻撃への関り方が素晴らしい。ボールが動いてアビスパの攻撃のフェーズになりそうな時に、良いタイミングで必ず加わって来る。3月、3勝1分けで負けなしの福岡の好調の要因の一つは、間違いなく見木の好パフォーマンスである。

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