【バイタルエリアの仕事人】vol.50 市原吏音|J3より相手のシュートレンジが拡大。より危機察知能力を高めて「プレーエリアを広げなければいけない」

2025年03月30日 野口一郎(サッカーダイジェストWeb編集部)

アピールポイントはキャプテンシーとゲームコントロール

“埼玉ポーズ”をとる市原。幼少期から、さいたま市で育ってきた。写真:永島裕基

 攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第50回は、RB大宮アルディージャのDF市原吏音だ。

 大宮のアカデミーで育ち、高校3年生だった2023年に2種登録され、天皇杯3回戦・セレッソ大阪戦でクラブ史上最年少の18歳と5日でトップチームデビューを飾ると、リーグ戦でもポジションを確保する。翌24年には早くも副主将を任されると、チームのJ3優勝に貢献し、ベストイレブンに選出された。

 世代別代表の常連でもあり、今年2月に行なわれたU-20アジアカップではU-20日本代表のキャプテンを務め、U-20ワールドカップの出場権を獲得したチームの旗頭となった。

 187センチ・81キロの体躯を誇り、鋭い読みやエアバトル、対人の強さを活かしたディフェンスが自慢の19歳は、昨年からチームの指揮を執る長澤徹監督のもとで2年ぶりに戦うJ2を舞台に、どんなことを感じているのか。

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 チームとしてレベルは上がっていますし、強度が一昨年や去年よりも高くなっています。徹さんは、信頼の塊という感じでみんなから尊敬されています。選手だけではなくスタッフの方からもリスペクトされていて、「徹さんだから」という理由で、いろんなことをまとめられる。だから、ついていきたいですし、凄いと思いますね。サッカーの試合をめちゃくちゃ見ているし、細かい変化にも気づいてくれます。
【画像】勝利を呼び込んだRB大宮アルディージャサポーター!
 自分自身は、3年目を迎えて精神的な余裕が出てきました。自分が引っ張っていかないといけないというメンタル的なところもそうですし、プレー面でも自分の良さ、強みをより出せていて、成長したと感じます。

 J3からJ2にカテゴリーが上がり、バイタルエリアからのシュートを決めてくる選手も増えてくると思います。去年よりも相手のシュートレンジが広がって、「危ない」と感じる範囲がより大きくなる。

 なので、センターバックとしてバイタルエリアの守備に関しては、プレーエリアをもっと広げなければいけないと思っています。去年よりも、もっと注意して、相手のフィニッシュを食い止める。その意識はありますね。

 アピールポイントは、キャプテンシーとゲームコントロールですかね。守備も攻撃も、ポジション的にフィールドプレーヤーのなかでは一番見えているので。いつ、どこでボールを奪いに行くとか、ボールを持った時は落ち着かせるといった部分は、自分がしっかり中心になってやらないといけないと思っています。

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