A代表初先発の20歳DF高井幸大は、なぜ大舞台でも普段の力を出せる? いつまでも“サッカー小僧”なのだ

2025年03月26日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

強心臓ぶりは今に始まったことではない

サウジアラビア戦でA代表初先発を飾った高井。堂々としたプレーを披露した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 初先発とは思えぬ堂々としたプレーだった。

 日本代表は、3月25日に開催された北中米ワールドカップ・アジア最終予選の第8節でサウジアラビア代表と対戦し、0-0のドロー。この試合でA代表初スタメンを飾り、上々のパフォーマンスを披露したのが、20歳のDF高井幸大(川崎フロンターレ)だ。

 3バックの右で先発し、終始主導権を握る展開のなかで、ビルドアップでも慌てることなく味方に繋ぐ。常に前線の様子をうかがいながら、時には鋭い縦パスを入れてチャンスの起点に。守備でもフィジカルを活かして相手のカウンターを止め、サウジアラビアのキープレーヤーであるサレム・アルドサリに最後まで自由を与えなかった。

 埼玉スタジアムのチケットは完売。5万8003人もの観客が詰めかけたこれだけの大舞台でも、ピッチでは常に冷静沈着で、いつも通りのプレーを披露できる。この強心臓ぶりは、今に始まったことではない。
【画像】日本代表のサウジアラビア戦出場16選手&監督の採点・寸評を一挙紹介! 最高点は初スタメンの20歳など4選手。MOMはリンクマンとなった15番
 昨年のパリ五輪最終予選を兼ねたU-23アジア杯に、当時19歳ながら飛び級でU-23日本代表の一員として挑んだ際にも、年上の選手たちのなかで存在感を発揮した。

 グループステージ初戦の中国戦(1−0)でいきなり先発出場を果たし、安定したパフォーマンスを披露。指揮官の信頼を掴むと、その後もCBで主力としてプレーし、アジア制覇とパリ五輪出場権獲得に大きく貢献した。

 試合後、記者陣の前ではどこか気の抜けたような表情を見せることもあり、口数は決して多くはない。それでも絞り出す言葉からは、常に向上心を感じる。

 サウジアラビア戦を見ていて、かつて高井が言った言葉を思い出した。

「サッカーは楽しむことが一番だと思いますし、それが良い方向に向かっているんじゃないかなと思います」

 どんな舞台であろうとサッカーを楽しむことを忘れない。それが根底にあるからこそ、いつも試合にリラックスして臨める。

 プロになれば、より激しい競争や壁にぶち当たることもある。それでも純粋にサッカーが楽しいと思い続けられる精神力が高井にはある。いつまでもキラキラ目を輝かせながらボールを追いかける"サッカー小僧"なのだ。

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

【記事】「日本で最高の選手がいないのは良かった」サウジアラビア人記者に直撃取材。「最も危険」「特にクオリティが高い3人」と評した日本代表戦士は?

【記事】「反省してます」久保建英が報道陣を爆笑させた一言「気にしてたらね、サッカーやってられないんで」

【画像】9頭身の超絶ボディ! 韓国チア界が誇る"女神"アン・ジヒョンの魅惑ショットを一挙チェック!
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事