パレスで難しい状況が続く鎌田大地だが「いろいろ成長できた部分もある」。代表戦に向けて「コンディションは悪くない」【現地発】

2025年03月20日 田嶋コウスケ

先発は10試合、途中出場が14試合

堅守速攻のチームで“学び”もあるという鎌田。「続けていくだけかなと」。(C)Getty Images

 クリスタル・パレスのMF鎌田大地が、W杯アジア最終予選を戦う日本代表に合流した。昨年の日本代表戦では、9月、10月、11月と代表メンバーに選ばれており、今回も順当にメンバー入りした。他の代表選手と共に、史上最速となるW杯出場権の獲得を目ざす。

 だが、所属先のクリスタル・パレスでは難しい状況が続いている。

 日本代表MFは昨年7月に移籍金なしで加入。世界最高峰のプレミアリーグで新しい挑戦を始めたが、壁にぶつかった。チームのプレースタイルと自身のそれが噛み合わず、ベンチを温める試合が続いているのだ。鎌田は言う。

「自分たちが勝点を取れている理由にもなりますけど、すごくリスクのない、ロングボールを多用するサッカーをしている。そっちの方が、自分としては難しいというか。チームとして繋ぐ意識がなかなかない。自分が入る前に想像していた感じのサッカーではないし、(加入前の)去年、見ていたような感じのサッカーでもない。

 もちろん数人の選手が抜けたり、自分たちがシーズン序盤にうまくいかず残留争いに加わり、勝点を積み上げないといけないとか、そういう事情はあった。オリバー・グラスナー監督とはフランクフルトで一緒にやりましたけど、今ここでやってるサッカーとは全然違います」
 
 クリスタル・パレスのサッカーを分かりやすく言えば「堅守速攻」。守備時は5バックでディフェンスを固め、攻撃になると最前線のCFマテタに長いボールを当てる。ここから攻撃的MFエゼや、サールの「個の力」を組み合わせることで、攻撃を編成している。

 一方の鎌田は、チームがボール保持のスタイルで、最も持ち味が生きるタイプ。それゆえ、日本代表MFはクリスタル・パレスで難しさを感じている。

 鎌田の苦戦は、出場数に表われている。プレミアリーグ28節まで先発試合は10試合。ベンチからの途中出場が14試合で、先発は約3分の1に限られている。それでも鎌田は、堅守速攻のチームで"学び"もあるという。

「守備の部分で行くタイミングとか、自分が狙った場所でボールが取れるとか、そういうところは、このチームに来た当初より良くなっていると思う。プレミアリーグではファウルの基準が違うので、(身体の)当て方もアジャストしないといけない。また、フィジカル能力が高い選手がすごく多いので、(ボール保持時は)ボールの置きどころも、少し変えてないといけないです。

 このチームは、エブス(エゼ)やJP(マテタ)の個人技頼りだと思う。そこの兼ね合いは難しいですけど、(個人技頼りでチームとしての連係が足りない分)上がるタイミングを少し遅らせたりとか、試合を重ねていけば、また変わってくると思う。僕自身もいろいろ成長できた部分もあるので、続けていくだけかなと」

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