「彼に自分ができることを見せたかった」中村俊輔が“最も印象的だった”対戦相手とは? イタリア時代を伊紙で回想 「ちょっと怖かった」日本との違いは…

2025年03月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

「うまくいっていると英雄だ」

イタリアメディアのインタビューに応じた中村俊輔。(C)Getty Images

 中村俊輔氏は先月、ライセンスを取得してJリーグの監督になることが可能となった。

 昨年末、その中村氏がセリエAのパルマで研修に臨んだことは、イタリアでも話題となった。パルマは鈴木彩艶が所属し、かつてアビスパ福岡で采配を振るったファビオ・ペッキア監督が当時指揮していたクラブだ。

 3月12日、イタリア紙『Gazzetta dello Sport』がその中村氏のインタビューを掲載した。かつてレッジョ・カラブリアを拠点とするレッジーナに在籍した中村氏は、様々なことについて話している。

 2002年にレッジーナに加わった中村氏は、セルティックに移籍するまで3年にわたって過ごしたイタリアについて、「最初はとても不思議だった。イタリア人は違う」と振り返った。

「うまくいっていると英雄だ。道端でみんなが来て、サインを求められ、コーヒーとか何でもおごってくれる。スーパーに買い物に行くのすら大変だった。驚いたよ。日本でサッカーは一番人気のスポーツじゃない。例えばまだ野球がある。でもイタリアでは、生きるか死ぬかの問題なんだ」

「でも、レッジョとレッジーナが大好きだった。最高の気分だった。うまくいかなかったときでも、サポーターは練習ピッチに入ってきて、我々と話していた。何がうまくいかず、なぜ負けたかを聞いてきた。ちょっと怖かったよ。ここではそういうことはない」

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 レッジーナ時代の親友はジョバンニ・モラービト、最も重要だった監督はボルトロ・ムッティとヴァルテル・マッザーリと振り返った中村氏は、最も思い出のある対戦相手に、ロベルト・バッジョの名をあげている。

「2002年10月5日、グラニッロ(レッジーナのホーム)で対戦した。彼のブレッシャ相手にFKでセリエA初得点をあげたんだ。彼のようなカンピオーネに自分ができることを見せたかった。リスペクトから試合後にユニホームをお願いすることはしなかったよ」

 FKといえば、セルティック時代のマンチェスター・ユナイテッド相手に決めたチャンピオンズ・リーグでのFKは伝説だ。セルティックのゴードン・ストラカン監督からは「天才」とも評された。

 だが、中村氏は「天才は別の人たちだ。自分に対してはちょっと大げさだよ。セリエA、チャンピオンズリーグ、スコットランドリーグで、たくさんの天才を見た」と謙虚だ。
 

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