【EURO】最年長出場記録を打ち立てたハンガリーの守護神キラーイ。ダボダボのスウェット姿なのはなぜ?

2016年06月24日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

大きめのサイズを着用している理由は?

年齢を感じさせない鋭い反応でグループFの首位通過に貢献したキラーイ。6月26日のベルギー戦ではタレント揃いの攻撃陣を抑えられるか。(C)Getty Images

 EURO2016に参戦しているハンガリー代表の正守護神、ガボル・キラーイの長ズボン姿に目を奪われない人は珍しいだろう。
 
 ただ単にスウェットパンツ風というだけではない。色はグレーで、ネズミ色と表現してもいいだろう。どこかパジャマのズボンのようでもあり、しかもダボダボなのだ。サイズ感? まるで合ってない!! 洗練? え、何の話でしたっけ!?

 気になるのは当然、理由だ。なぜ、いつから、その出で立ちなのか。EURO2016の大会公式サイトなどで、キラーイ自身のコメントが紹介されている。

 曰く、スウェット風パンツの着用を始めたのは、およそ20年前から。試合当日のピッチの状態が、ロングパンツ選択のきっかけになったのだと説明する。

「冬の試合でピッチが凍結してたんだ。ダイブしたら足を痛めちまうよ」

 ロングパンツの色は、ずっとグレーだったわけではない。最初は黒だった。ある日、洗濯が間に合わず、グレーで代用したそうだ。その試合でたまたま勝利し、それ以来、ずっと同じ色、同じサイズの着用を続けてきた。その時に穿いたロングパンツが、すでにダボダボだったのだ。

 1993年にフットボーラーとしてのキャリアを刻みはじめたキラーイは、ドイツのヘルタ・ベルリンやイングランドのクリスタル・パレスなどでも守護神を務めてきた。

「実はドイツ時代とイングランド時代に、ショーツ(ショートパンツ)を試したこともあったんだ。でも、俺には合わなかった」

「グレーでダボダボのロングパンツ」が、いつしか験担ぎのようになり、そのままキラーイの定番スタイルになったというわけだ。春夏、秋冬のシーズンなど関係なく、毎年同じようなモデルをあえて選んできた。サイズ感が合っていないのは、もちろん本人も分かっている。

「快適かどうかの問題さ。いつも大きめのサイズにしているのは、動きやすいようにだよ」
 
 キラーイと言えば、EUROの最年長出場記録更新でも話題となった。6月14日のオーストリア戦に先発し、元ドイツ代表MFローター・マテウスの39歳と91日の記録を40歳と74日に塗り替えたのだ。

 そんな大ベテランのGKを擁するハンガリー代表は、戦前の低い下馬評を覆し、44年ぶりの本大会で決勝トーナメント進出を決めた。キラーイはその立役者となっている。ポルトガル戦でもクリスチアーノ・ロナウドの強烈な直接FK――複雑に揺れるブレ球だった――を阻止するなど、最後の砦に君臨してみせた。
 
 

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