「個人プレーに走りすぎる」「交代すべき」久保建英への批判にソシエダ番記者が反論! マドリー戦で見せた“エースの振る舞い”に感銘「タケが来て以来、最も印象的なパフォーマンスの1つだ」【現地発】

2025年03月02日 ミケル・レカルデ

観客を沸かせるゴールを決めるタケを称賛するのは簡単

古巣のマドリーを相手に奮闘した久保。(C)Getty Images

 多くの人は知らないし、気づこうともしていないのかもしれないが、レアル・マドリー戦におけるタケ・クボ(久保建英)のパフォーマンスは、チュリウルディンのユニホームを着て以来、最も印象的なもの1つだった。

 チームが勝利を収めたからでも、特に素晴らしい出来だったからでも、ゴールを決めたからでも、アシストを記録したからでもない。私が最も評価したいのは、フラストレーションがたまる試合展開だったにもかかわらず、無力感に押しつぶされることなく、闘争心を失わなかったタフさだ。

 タケは常に複数人に囲まれる中でも、隠れることなく、何度もパスを要求し、局面を打開しようとトライし続けた。しかし決定的な仕事をすることはできなかった。古巣相手の大一番で自身の実力を証明したいという気持ちが焦りを生み、連戦による疲労の影響もあったかもしれない。

 案の定、試合後、個人プレーに走りすぎる、瞬時の判断力に欠けているから肝心なところで決め切れない、はては早い時間帯で交代すべきだったといった非難の声が上がった。

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 しかし大半のファンは、タケのような血と汗を最後の一滴まで搾り取られるまでチームのために戦い続ける覚悟を持つ選手を求めている。チームのエースであれば、なおさら価値は上がる。

 優勢な展開で、ハイパフォーマンスを披露し、観客を沸かせるゴールを決めるタケを称賛するのは簡単だ。しかし、本当の彼の魅力は、敗色濃厚の展開であっても、逆境や不運に抗おうとするその不屈の精神にこそ内包している。

 ソシエダは敗れたとはいえ、悪い試合をしたわけではない。作ったチャンスの数は10に達した。とりわけ序盤は、ワンツーから右足で放ったシュート、その直後の右CKからニアに蹴り込み、頭でそらしたメンデスを経由してゴール前に飛び込んだナイフ・アゲルドが触ればゴールというシーン、ペナルティエリア内でアントニオ・リュディガーに後ろから倒されるも、ノーホイッスルとなったプレーとタケが中心になって立て続けに3度チャンスを創出した。

 しかし相手GKのアンドリー・ルニンが大きな壁として立ちはだかり、逆に一瞬の隙を突かれて先制を許した。その後、ソシエダの守護神アレックス・レミロもレニンも負けじと好守を連発した。
 

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