「僕たちはまだまだなのかな」ドイツ強豪の脅威となった日本代表FWがこぼした本音。番狂わせを起こす可能性もあったが…【現地発コラム】

2025年02月22日 中野吉之伴

「ちょっと慌ててしまったかな」

バイエルンを相手にゴールを演出した前田。(C)Getty Images

 前田大然の類まれなスピードと相手のスキを見逃さない抜け目なさが脅威となり、スリリングな展開を生み出した。

 前田と旗手怜央がプレーするセルティックは、ブンデスリーガで首位を独走するバイエルンとチャンピオンズリーグ(CL)の決勝トーナメントプレーオフで対戦した。

 セルティックホームのファーストレグを1-2で落としているため、セカンドレグを前に、CLのホームゲームここ20戦で無敗と圧倒的な力を見せているバイエルンを前に劣勢だったのは明らかだった。

 ところが、試合が始まると思った以上に拮抗した試合展開が続いていく。バイエルンFWハリー・ケインのシュートがバーを直撃するなどセルティックゴールに迫るシーンもあったが、決定的なチャンスの数はそこまで多くはない。

 逆にセルティックサイドに大きなチャンスが生まれていく。16分に右サイドを崩すと、ファーポスト際に飛び込んだ前田にパスが送られるがわずかに届かない。
 
 直後の18分にはペナルティエリア付近でボールを受けたフリーの前田が、右足ダイレクトでシュートに持ち込んだが、惜しくも枠を捉えられず。日本代表FWはこのシーンについて次のように振り返っている。

「キーパーが(前に)出てるなって感じたんで。リーグ戦でもループ(シュートを)決めてたんで、そのイメージもちょっと残ってた。ちょっと慌ててしまったかなっていう印象です」

 均衡を破ったのはセルティックだった。左サイドで縦に抜け出そうとした前田にパスが送られるが、マークについていたヨシップ・スタニシッチがクリアともパスともいえないボールをセンターに送る。

 これに前田が抜群の反応を見せる。猛ダッシュでボールにアプローチすると逆サイドから絞って対応しようとするラファエウ・ゲレイロより一歩早く、ニコラス・キューンにスルーパスを送った。キム・ミンジェがタックルでクリアしようとするもこれに失敗。抜け出したキューンがGKマヌエル・ノイアーの牙城を破リ、冷静に左足でゴール左へ流し込んだ。 
【動画】鬼プレス炸裂!前田大然が強豪バイエルン戦でゴールを演出!

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