ペップは下を向きながらボソボソと。アーセナルに惨敗のマンC、一体どうしてしまったのか。連戦続く2月は間違いなく正念場だ【現地発】

2025年02月07日 田嶋コウスケ

終盤の約30分間も酷かった

歯車が嚙み合わず、ピッチ上で一体感を欠くシティ。歴戦の名将ペップはこの難局をどう乗り越えるか。(C)Getty Images

「ペップ・グアルディオラ監督って、こんなに声が小さかったっけ──」

 2月2日に行なわれたアーセナル対マンチェスター・シティ戦後の記者会見で、最初に覚えた違和感がこれだった。北ロンドンに乗り込んだマンチェスター・Cは、アーセナルに1-5で大敗。筆者は、グアルディオラがどんな表情や様子で会見に応じるのか注目していた。

 スペイン人指揮官が会見場にやって来たのは、試合終了から約40分後。グアルディオラは静かに着席した。

 一つ目の質問は「先程行なわれたテレビインタビューで、ジョン・ストーンズが『試合終盤の20分間のプレーは受け入れ難い』と話していました。何がうまくいかなかったのですか」。

 1-3で迎えた70分以降、たしかにマンチェスター・Cの足はピタリと止まった。昨シーズンにリーグ4連覇を達成した王者の風格はそこになく、アーセナル攻撃陣に気持ち良くパスを回された。そこから、さらに2失点。息も絶え絶えで、昨季と同じチームとは到底思えなかった。
 
 54歳の指揮官は時折、下を向きながらボソボソと語り始めた。

「(前半3分に先制されながら、最終的に3-1で勝利した前節)チェルシー戦のように、出だしは簡単ではなかった。だが、リアクションは良かった。しかしその後、試合の流れが変わった。我々は本来の高いレベルでプレーしていたが、2~3分の間に勢いがしぼんだ。1-1に追いついたが、そこから1-2にされ、そして...。さらに2つ、3つと失点してしまった。最後の20分間で、それまでの60~65分間の努力がすべて無駄になった。それが今回の問題だ」

 テレビ映像ではペップの声をマイクで拾っているため、音量補正がかかっているように思う。しかしアーセナルの会見場では、指揮官の声がスピーカーを通して流されているわけではない。昨シーズンまでなら、とりわけ戦術について質問が飛ぶと、ジェスチャーを交えて口数多く話すのがスペイン人指揮官の姿だった。だが今回は覇気も元気もなく、現在5位のチームがうまくいっていない様子が伝わってきた。

 ストーンズは「ラスト20分」を問題視したが、3つ目のゴールを許した62分以降、つまり終盤の約30分間も酷かった。

 アーセナルの18歳ディフェンダー、マイルズ・ルイス=スケリーにプロ初得点を許すと、マンチェスター・Cはすっかり意気消沈。本来ボールを握って攻め続けるシティだが、完全に受け身になった。

 しかも試合終盤に失速するのは、今回が初めてではない。

 3-0で迎えた75分から3失点し、3-3の同点に追いつかれたCLのフェイエノールト戦(11月26日)。PLのマンチェスター・U戦も、1-0で迎えた88分からの2失点で1-2で敗れている(12月15日)。CLのパリ・サンジェルマン戦も、2-0のリードで迎えた56分から4失点して2-4で敗れた(1月22日)。やはり歯車が噛み合っていない。惨敗したアーセナル戦で、改めてそんな印象を抱いた。

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