なぜ李忠成は浦和をこよなく愛するのか。イングランドに通ずる“本質”。横浜移籍の裏側も――重要なのは「勝ち馬に乗ること」

2025年02月07日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

「浦和のサポーターはまじでクレイジーです」

ロングインタビューで濃密な現役生活を振り返った李氏。今回触れたのは浦和、横浜時代だ。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

【不屈のストライカー特別インタビュー(1回/全10回)】

 不屈の闘志で成り上がり、その左足で光と影を目定めた李忠成。ユニホームを脱いだ2023年9月からは新たなステージで挑戦を続けている。特別インタビューで胸の内に迫った。

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 現在39歳の李氏は、FC東京、柏レイソル、サンフレッチェ広島を経て、2012年にサウサンプトンに移籍。念願のイングランド行きを果たしたが、プレミアリーグで出場機会を得られず、2014年に浦和レッズに加入した。

 それから5年間、熱狂的なサポーターを背に、真っ赤なユニホームを着てプレー。20年の現役生活において、最も長く在籍したクラブとなった。

「結果、レッズが1番長かったですね。浦和のサポーターはまじでクレイジーです。クレイジーというのは、愛しているからこそ言える言葉であって、僕は彼らのことを愛しているから『クレイジー』と胸を張って言えます。

 彼らはやっぱり結果を出さなきゃ認めないですよね。他のチームって結果が出るまで応援するスタンスじゃないですか。浦和の場合は『結果で示せ』と。だから結果を出すしかないですよね。僕はそれが好きなんですよ。そりゃそうじゃないですか。プロサッカー選手として結果を出さないで評価される、愛されるのはちょっと違うなと思っているので」
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 フットボールの本場、イングランドの雰囲気と通ずる部分があるようだ。

「海外に行った時も点を取って、道場破り感はすごくあったし、『あのアジア人すごいプレーすんな!』というのがとても快感でした。街を歩けば『My son!』ってサムズアップしてくれて。『サインくれ』とかはなくて、『頑張れよ』みたいな。すごく温かったし、それに似た愛がありますよね。

 浦和は日本の中でも特に海外寄りというか、サッカーに対して本質的な愛がある。みんなサッカーが大好きだから。傍から見たら厳しい言葉も掛けていますけど、それが本質だと思います」

 浦和への想いは非常に強い。「日本一のクラブ」と断言するほどだ。

「何を言おうと、今でも日本のリーディングクラブですよ。日本サッカー界を引っ張っていかなきゃいけないチーム。いつもかっこよくなきゃいけないし、強くなきゃいけない。選手はいつも優勝争いに絡んでなきゃいけない責任を持ちながら毎試合戦ってますよ」

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