【川崎】開始15分間に何があったのか。CBの谷口が「痛恨の2失点」を振り返る

2016年06月18日

「相手の攻撃が上手いことハマってしまった」と序盤の対応を悔やむ。

CBでフル出場した谷口は、ウェリントンの対応に苦戦。「1失点目があっさりやられすぎて、そこで完全に浮き足立ってしまった」と語る。写真:サッカーダイジェスト

 
 開始15分で、まさかの場面が二度続いた。
 
 首位の川崎と最下位の福岡。両者の力関係を考えれば、当然、試合の序盤から川崎が優位に立つと誰もが予想していたはずだ。ところが、現実は逆だった。
 
 開始9分、福岡がウェリントンをターゲットにロングボールを放り込むと、そのこぼれ球にSBの車屋が反応。しかし、クリアボールがそのまま福岡の金森にわたり、結果的にそのまま中央突破されて先制点を献上した。
 
 CBでフル出場した川崎の谷口は、序盤での失点について「1失点目があっさりやられすぎて、そこで完全に浮き足立ってしまった」と語り、守備陣の対応について言及した。
 
「どこかに緩みがあったのかもしれない。相手はターゲット(ウェリントン)がはっきりしていたので、そこを起点にやられたというのは、DF陣としてはやってはいけないこと。ゲームを崩してしまったという気がします」
 
「浮き足立った」という川崎は、そのまま福岡に押し込まれる時間が続き、15分には二度目の"まさか"が訪れる。
 
 川崎のエリア手前で混戦となり、谷口がボール奪取を図る。しかし、勢い良く飛び込んだ金森にブロックされる形でボールをかっさわれると、最終ラインを難なく突破され、この日2点目を叩き込まれた。
 
「さらに追い打ちを食らって、ヤバい、ヤバいという状況になった。攻撃では、押し込む展開が作れていただけに、序盤の戦い方というのが非常に悔やまれる」
 
 開始15分で2失点。終わって見れば、この時間帯が結果を左右したと言っても過言ではないだろう。谷口も「序盤の2失点に尽きると思います」と悔やんだ。
 
「相手の攻撃が上手いことハマってしまった。こちらも空中戦などは自信を持っていたんですが、そこで競り勝つだろうという予想で、一人ひとりがポジションを取ってしまった」
 
 また、谷口は別の側面から"浮き足立った原因"を指摘した。それは、腰痛で欠場した中村憲剛の存在だ。精神的支柱を欠いたチームは、あまりに脆かった。
 
「(中村不在の)影響がないゲームをしたかった。でも序盤に浮き足立ったところで、リーダーシップを取ってやっていける選手が少なかった」
 
 後半は川崎が主導権を握り、反撃ムードを作り出したものの、結局、逆転ゴールは生まれなかった。「3点目や4点目を狙える展開だったし、正直、勝てたという気持ちもある」という谷口の言葉は本音だろう。ただ、だからこそ、「序盤の2失点に尽きる」のひと言も重く響く。
 
取材・文:大木 勇(サッカーダイジェスト編集部)
 
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