アウクスブルク移籍がほぼ確実な宇佐美。新天地のライバルはあの韓国代表MF?

2016年06月18日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

求められるのはかつてのアルティントップのように――。

二度目のブンデス挑戦が秒読みとなっている宇佐美。今度こそ成功を勝ち取れるか。(C)Getty Images

 宇佐美貴史のアウクスブルク移籍が現実味を帯びている。ガンバ大阪のもとにはすでに4年契約の正式オファーが届き、本人もクラブも大筋でこれに合意。近日中にも移籍が正式発表される見通しだ。

 宇佐美の加入が実現すれば、アウクスブルクにとっては11~12年に在籍した細貝萌以来、2人目の日本人選手となる。現チームにはク・ジャチョルやホン・ジョンホなど韓国代表の選手も所属し、アジアのマーケットを見据えたオペレーションとの見方もある。

 アウクスブルクはクラブ史上初のブンデスリーガ昇格を果たした11-12シーズン以来、限られた戦力をやりくりしながらしぶとく1部に生き残ってきたスモールクラブだ。12位に終わった15-16シーズンをもってこれまでの躍進を支えてきたマルクス・ヴァインツィール監督が退任し、16-17シーズンからは前ダルムシュタット監督のディルク・シュスターが指揮を執る。

 シュスター新監督はカウンターを志向する堅実派で、アウクスブルクでも同様のスタイルを貫くだろう。気掛かりなのが、そのサッカーに宇佐美がフィットするかどうか。攻撃はもちろん守備のタスクもしっかりこなすことが、二度目のブンデス挑戦を成功させる第一条件となる。

 システムはおそらく4-2-3-1で、宇佐美の主戦場はトップ下になるだろう。このポジションはハリル・アルティントップが君臨していたが、ここ数年は加齢による衰えが否めず、昨シーズンの終盤はク・ジャチョルに定位置を譲った。この韓国代表MFが、宇佐美にとって最大のライバルとなるだろう。昨シーズンはチーム最多の8ゴールを挙げており、手強い相手なのは間違いない。

 求められるのは、かつてのアルティントップのように攻撃に変化をつける役割だ。自慢のテクニックやパスセンスを発揮できれば、おのずとレギュラー獲りも見えてくるだろう。

 もちろん、左ウイングで起用される可能性もあるだろう。ただ、アウクスブルクはSBのオーバーラップなど後方支援に乏しく、サイド攻撃はほぼアタッカーの打開力に頼っているのが現状だ。そうした状況はシュスター体制下でも大きく変わらないはずで、鋭いカットインからのシュートやラストパスといった武器を活かせるかは疑問が残る。サポートの意識が高いガンバ大阪や日本代表と同じ感覚でプレーしているようだと、苦戦を強いられるかもしれない。

 いずれにせよ、定位置が確約されていないのはたしか。日本が誇る天才アタッカーは、はたして実力でその真価を証明できるか。
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