鈴木優磨+レオ・セアラ。2人の力を出し切れる最適解、鬼木達監督は多彩な得点パターンを生み出せるように仕向けていく【鹿島】

2025年01月22日 元川悦子

「1+1を2以上にできるように合わせていきたい」

鹿島の最前線を担う鈴木(左)とL・セアラ(右)。J1屈指の2トップになりそうだ。写真:元川悦子

 2016年以来のJ1タイトル奪還を目ざし、1月14日から宮崎キャンプに入っている鹿島アントラーズ。21日には今季3度目の実戦となるツエーゲン金沢との練習試合(45分×2本、30分×1本)に挑み、2本目で師岡柊生が1点、徳田誉が2点をゲット。3本合計3-0で白星を飾った。

 17歳の若き点取り屋・徳田が気を吐いたことについて、鬼木達監督は「特にボックスのところでは凄い武器を持っているなと思います」と、ポテンシャルの高さを大いに評価していた。若い力を積極的に試している指揮官にとっては朗報と言っていいだろう。

 とはいえ、やはり今季の鹿島で最前線を担うのは、昨季15ゴールの鈴木優磨と同21ゴールの新助っ人レオ・セアラだろう。これほど強力なFWが並ぶチームは、他のJ1クラブを見渡してもそうそうない。

 この日も2人は1本目で先発。攻撃面ではゴール前での連係・連動、守備面では息の合ったハイプレスを実行できるかを鬼木監督はチェックするつもりだったはずだ。が、L・セアラにいきなりアクシデントが発生。17分過ぎに早々とピッチを去ることになってしまったのである。

「(その前には負傷交代した田川享介を含め)キャンプ中なので、気になるところがあったら早めに言ってくれと選手には言っている。今日、途中で切り上げた2人がそんなに長引かないことを祈っています」と鬼木監督は説明したが、2トップの関係性確立がやや遅れているのは気掛かりな点だろう。
 
「(L・セアラと)組んでまだちょっとしかやっていないし、練習試合と公式戦はかなり違うので、まだ何とも言えないところもありますけど、『彼の方がこうしてほしい』というイメージはある程度、ついている。1+1を2以上にできるように合わせていきたいですね。

 彼はどっちかと言うとストライカーなので、僕の方から合わせて、自分も生きるような形を作れればベストかな。僕のアシストが増えるんじゃないかなと思います」と、鈴木は自分なりの理想形が見えている様子。そこはポジティブな要素だろう。

 確かに金沢戦の17分間を振り返ると、鈴木は単にL・セアラと横並びになるだけでなく、少し引いてタメを作ったり、インサイドハーフ的な位置でビルドアップに関与するなど、多彩なタスクを担っていた。

 昨季までの鈴木も、少し引いて組み立てに関与したり、左サイドに流れてプレーするシーンが目立っていた。そういった特長を踏まえると、本人が話しているように、基本的にはL・セアラが最前線にどっしりと構え、鈴木がセカンドトップとして衛星的に動く状況が多くなりそうだ。

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