大黒柱のハムシクが1ゴール・1アシスト。自慢の“トサカ”がそそり立つ――ロシア 1-2 スロバキア

2016年06月16日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

殊勲者は大黒柱のハムシクだ。

1ゴール・1アシストの活躍でスロバキアを勝利に導いたハムシク。 (C) Getty Images

 チェコスロバキアから分離独立以来、初めての出場となるスロバキアが2戦目にして初勝利を挙げた。殊勲者は大黒柱のハムシクだ。
 
 まず10分、挨拶がわりとばかり左足のハーフボレーでロシア・ゴールを脅かすと、続いて32分、自陣からのロングパス一本で一気に局面を切り拓く。
 
 前掛かりになったロシアの最終ラインの裏に正確なボールを送り込み、これを受けたヴァイスが追いすがるスモルニコフとV・ベレズツキを鋭い切り返しで振り切って、右足でネットを揺らした。
 
 スロバキアの中盤でのプレッシャーを嫌ったロシアが、最終ラインからCFジューバにロングボールを当てるシンプルなサッカーに切り替えてペースを握りつつあっただけに、スロバキアにとっては劣勢をはね返す大きな先制ゴールだった。
 
 さらに圧巻だったのが前半終了間際のプレーだ。ショートコーナーから左サイドでボールを受けたハムシクが、ペナルティーエリア内に持ち込んでシャトフをかわすと右足を一閃。矢のようなシュートがファーサイドのポストを舐めるようにして、ゴール右隅に吸い込まれた。
 
 後半に入ると、2点を追うロシアが攻勢を強める。センターハーフ2枚を一挙に入れ替える(ゴロビン&ノイシュテッター→ママエフ&グルシャコフ)思い切った策が効果を挙げ、ママエフを起点とした中盤でのパス回しがよりスムーズになったのだ。
 
 しかしながら、ボールを支配するものの、最後の30mのアイデアが乏しくゴールが遠い。CFジューバの落としからシュートを狙うか、あるいは右SBのスモルニコフからのクロスにゴール前で合わせるくらいしか攻撃の形がなく、スロバキアのDF陣にことごとく弾き返された。
 
 リズムが変わったのはシロコフを投入した75分以降。このベテラン・ファンタジスタが単調だった攻撃に抑揚をつけ、80分にはそのシロコフとのワンツーで抜け出したシャトフの折り返しを、グルシャコフがヘッドで押し込んで一矢を報いる。
 
 だが、ロシアの反撃もここまで。
 
 ハムシクの活躍で前半に2点のリードを奪ったスロバキアが逃げ切りに成功。これで1勝1敗とし、大国イングランドとのグループ最終戦へ弾みをつけた。
 
 
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