「外す気はない」主将・三宅蔵ノ助が殊勲の決勝弾で滝川二を2回戦へ導く「みんなで決めたPKだった」【選手権】

2024年12月30日 岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

トップ下に近い立ち位置で攻撃のタクトを振った

79分にPKで決勝弾を挙げた滝川二の主将・三宅。攻撃的なポジショニングで持ち前のテクニックを発揮した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権・1回戦]滝川二(兵庫)2-1 山梨学院(山梨)/12月29日/ニッパツ三ツ沢球技場

「あいつはあまりPKを外さないので。みんなも信じていたと思います」

 滝川二の小森康宏監督がこう語るほど信頼を寄せられるキャプテンは、期待どおりのキックでチームに勝利をもたらした。

 12月29日、全国高校サッカー選手権大会の1回戦で滝川二と山梨学院がニッパツ三ツ沢球技場で対戦した。

 先に試合を動かしたのは滝川二だった。前半24分、酒井悠利のロングパスを治部翔が上手く収めて左足でフィニッシュ。ゴール右隅に突き刺した。

 第99回大会の選手権王者も黙っていない。40分、小柳堅也の左からのクロスを阿部海翔が折り返し、最後は小河原瑛太が仕上げて同点弾をマーク。前半終了間際にチームを勇気づける一撃を見舞った。

 一進一退の攻防が続いたなか、後半39分に再び試合が動く。滝川二の松元大智が得意のドリブルで左サイドを切り崩すと、エリア内でファウルを受けてPKを獲得。これを主将の三宅蔵ノ助が落ち着いて決め切り、滝川二が2-1で2回戦進出を果たした。
【動画】山梨学院vs滝川二のハイライト
 決勝点を挙げた三宅は殊勲のPK成功をこう振り返る。

「僕はそこまで何かしたというわけではない。松本君がPKを取ってくれたのが大きかったです。キッカーを任されている以上、責任感は強く持っていますし、外す気はない。普段からキーパーの選手もPKの練習に付き合ってもらっているので、彼らにも感謝したいです。また、相手の野次も、川上(瑠巳)が制止してくれたりもした。本当に、みんなで決めたPKだったと思います」

 2回戦は東北学院との対戦が決まっている滝川二。37年ぶりの選手権出場に燃える宮城の強豪との一戦へ、三宅はキャプテンらしく、力強く意気込んだ。

「初戦の難しさは監督からも言われていたので、ひとまず、突破できて良かったけど、僕個人としては、いつもより運動量が少なかったと思う。チームとしても、次の試合もしっかりと走り切れるように、次の試合に向けて準備したいです」

 4-4-2のボランチの一角からスルスルと立ち位置を上げ、トップ下に近いポジショニングで攻撃のタクトを振った三宅は、2回戦でも得点に絡めるか。滝川二の司令塔に注目したい。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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