【バイタルエリアの仕事人】vol.47 守屋都弥|「これが自分の実力なんだなと」悔しさが溢れたパリ五輪。今年は代表定着への想いが強くなった1年に

2024年12月30日 手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)

「三笘選手のプレーは真似できない」

I神戸一筋10年目。サイドの仕事人、守屋が語るバイタルエリアとは。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第47回は、INAC神戸レオネッサのDF守屋都弥だ。

 2015年、JFAアカデミー福島卒業と同時にI神戸に加入。2年目から出場機会を得ると、その活躍が評価され、2026年にはU-20女子ワールドカップのメンバーに選出。銅メダル獲得に貢献した。

 その後もサイドバック、ウイングバックとしてクラブの主力を担い、2021-2022シーズンにはチームをWEリーグ初代女王に導く。2023年にはなでしこジャパンに初招集され、同年の女子W杯に加え、今夏のパリ五輪でもピッチに立った。

 I神戸一筋10年目。サイドの仕事人が語る"バイタルエリア"とは――。

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 バイタルエリアは、そのエリアでどれだけボールを受けられたかによってチャンスメイクの数が変わってくる重要な場所です。

 5バックの時は、逆サイドからクロスが上げってきたら、私もゴール前に入っていく気持ちを持ってプレーしています。バランスを見て、逆サイドの選手が上がっていたら、自分はもっと絞らなきゃいけなかったり、自分のサイドから崩している時は、必ず前を向くことを狙っていますね。

 ただ、私はあまりドリブルが得意じゃなく、個人技で突破するのが得意ではないので、相手の裏を取ることや駆け引きを意識してバイタルエリアに入り込むことを心掛けています。

 自分の一番の武器は裏への抜け出し。持ちすぎるとすぐ相手に寄せられて取られてしまう場面を作ってしまう。だから相手の足が届かない位置でボールを持つなど、そういう細かい部分を意識しつつ、中盤やフォワードの選手に預けてから、裏に抜け出すタイミングやアクションを大切にしています。

 攻撃面で尊敬しているのは三笘薫選手です。ボールの持ち方も上手いし、私は足が速いほうではないので、あのスピードは自分には真似できない部分。一度、停止してから一瞬の速さで抜き去るプレーはすごくて、これ自分にはできないなって(笑)。

 攻撃は守備から始まると思っています。引いた状態での守備だと、奪った後のカウンターでそれだけ後ろから上がらなきゃいけなくなって、体力的にも結構きついので、守備でどれだけ高い位置で取れて、そこから攻撃できるかが重要です。
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