【EURO2016】先制のイングランド、土壇場の失点で白星発進ならず

2016年06月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

「初戦に弱いイングランド」の顔が後半追加タイムで顔を出す。

最悪のかたちで勝利を逃したイングランド。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 6月11日(現地時間)、EURO2016のグループステージ初戦を迎えたイングランドは、1-1でロシアと引き分けた。
 
 試合は序盤、ともに積極的に相手ゴールに迫る展開となるが、徐々にイングランドがボールを持つ時間が長くなっていく。
 
 2分にアリがファーストシュートを放ったイングランドは、その4分後にララーナが強烈なシュートを放ち、11分にはCKをスモーリングが頭で合わせるが、いずれもGK正面に飛んだ。
 
 スターリングが積極的に仕掛け、SBローズが頻繁に上がってくる左サイドからチャンスを作るイングランドだが、中央への折り返しはパスの精度の低さ、もしくはロシア守備陣の好守などによって、なかなか味方には繋がらない。
 
 中盤でテクニカルなパス回し、ルーニーの縦横への好配球(34分には鋭いボレーシュートも披露)、両サイドからの仕掛けなど、随所に良さを見せて、ゴールの予感を抱かせるイングランドだが、慎重な部分も見せ、一気にたたみ掛けることはせず、前半は無得点に終わった。
 
 一方のロシアは、ボールを得てもイングランドの守備ブロックに割って入ることができず、後方でパスを回し続けることが多い。常にプレッシャーを受けるなかで、効果的な攻撃を展開することはできなかった。
 
 後半、開始からしばらくはロシアがボールを保持するも、やはり陣形の整ったイングランドの守備の前には、ゆっくりと後方でパスを繋ぐしかない。一方、反撃に転じたイングランドは好位置で再三FKを得るが、こちらも要所は締めているロシアの守備を崩せない。
 
 そして、試合の流れは徐々にロシアに傾く。たびたびイングランドゴールに迫り、複数のCKを得、きわどいシュートも放つ。イングランドがボールを得ても、高い位置で奪い返して再びゴールに迫った。
 
 しかし、これをしのいだイングランドは攻勢に立ち、70分には左サイドからの攻撃から、こぼれ球をルーニーが詰める。決定的な場面だったが、これはGKアキンフェエフの驚異的なセーブに阻まれた。
 
 絶好の得点機を逃したイングランドだったが、その3分後、ペナルティエリアの手前でFKを得る。ここでダイアーが右足を振り抜くと、ボールはゴールネットを揺らした。
 
 ようやく先制したイングランドは、31分にケインが追加点のチャンスを得るも、シュートはDFにブロックされる。
 
 その後、ともに一進一退の展開で時間は進み、アディショナルタイムへ。イングランドが逃げ切るか思われた矢先、ロシアは多重攻撃から、ローズに競り勝ったベレズツキの高い打点のヘッドがGKハートを越え、グルシャコフが詰めて追いついた。
 
 初戦に弱いといわれるイングランドは、土壇場でまたしても勝点3を取り損ねた。嫌なムードを残し、5日後のウェールズ戦を迎えることとなる。
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