【神戸】P・ジュニオールの“ユニコレ”に加わった選手とは? 答は広島対策に現われる

2016年06月13日 本田健介(サッカーダイジェスト)

守備時の動きにある違和感が。

貴重な同点弾を奪ったP・ジュニオール。守備面でも大きく貢献した。(C) J.LEAGUE PHOTOS

 神戸の選手たちが口々に手応えを語ったJ1第1ステージ・15節の広島戦だが、攻撃面で輝きを放ったのは貴重な同点弾を奪ったP・ジュニオールだった。
 
「個人的にも良いプレーができたと思っている」と振り返った快足FWは序盤から身体のキレを感じさせ、得意のドリブルで何度も広島DFに襲いかかった。
 
 ただ、ふと違和感を持ったのは守備時の彼の位置取りだ。通常よりやや後ろ、2トップを組むレアンドロと縦関係のようになるポジションは、広島のパスの供給元である青山敏弘を警戒するものだった。
 
 相手ボールになれば即座に青山の位置を確認し、すかさずパスコースを遮り、もし青山がボールを持てば果敢にプレスをかける。広島の心臓を自由に動かさないこと、ネルシーニョ監督の指示だったというこの策は案の定、大きな効果を表わした。
 
 試合は1-1のドローに終わったものの、「両チームとも非常に競い合った高いレベルの良い試合だったと思う」(ネルシーニョ監督)と、神戸はP・ジュニオールの頑張りもあり、前年のチャンピオンチームと互角の戦いを演じた。
 
 さて、試合後、ふと青山に近づく影があった。それが他の誰でもないP・ジュニオールだった。ふたりはお互いの健闘を称えあい、リーグ戦では珍しいユニホーム交換を行なったのだ。
 
 聞けばP・ジュニオールは度々、Jリーガーとユニホーム交換を行なっているという。「以前は遠藤とユニホーム交換をした」とも語る。その手に入れた品は「ブラジルに持って帰って飾る」というのだ。もしかしたら、すでに多くのコレクションが集まっているのかもしれない。
 
 青山とユニホームを交換した意図に関しては「特別な意味はない」としたが、「素晴らしい選手」という再認識がこの試合で生まれ、前半のうちに口約束をする動機となったのだろう。自らがマークしたことによってさらに能力の高さを知り、広島のバンディエラのユニホームが欲しくなったということなのかもしれない。
 

次ページ指揮官も賞賛する内容に。

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