一気に加速し、先制点の起点となった柴崎岳。「あとは夢生君に良いボールを送るだけ」

2016年06月12日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

前半は浦和の武藤を“監視”し、チームの守備力を高める働きぶり。

献身的な振る舞いだけでなく、勝負どころでは大胆に飛び出し、ゴールチャンスに絡んだ柴崎がチームを勝利へと導いた。(C)SOCCER DIGEST

 前半は、そこまで存在感を放っているとは言えなかった。
 
 ゲームから消えていたわけではない。おもに、浦和の2シャドーの一角である武藤雄樹を"監視"しながら、チーム全体の守備力を高める働きを示していた。
 
 柴崎の貢献もあり、前半は無失点で折り返した鹿島は、迎えた後半、待望の先制点を奪う。
 
 起点となったのは、それまではどちらかといえば"おとなしく"していた柴崎だ。カウンターが発動された瞬間、自陣の深い位置から一気に加速して前に駆け上がり、キープしていたカイオからパスを引き出す。
 
 そしてドリブルで持ち運ぶと、エリア内に侵入する金崎を確認し、あとは「夢生君に良いボールを送るだけでした」。
 
「ひとつ、ふたつ、プレッシャーをかいくぐれば、ああいったシーンは、たくさんできるので。奪った後のスピーディな攻撃はできたと思います」
 
 1点をリードした後は、よりプレーの強度は高まった印象で、攻守両面でアグレッシブさを表現し、チームを勝利へと導いた。
 
「ファーストステージ制覇に向けて、非常に大きな勝利」であるのは間違いないが、「長い目でみれば、年間の順位にも響いてくるので、勝ち続けるだけです」と慢心はない。
 
 ここに来て勝負強さをいかんなく発揮している鹿島を、背番号10が力強く牽引している。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
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