「右か?」「足、震えてるよ」のヤジにも心乱されず。鈴木優磨が絶対の自信でPKを突き刺す!

2016年06月12日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「100パーセント、決める自信があった」。

ひとつ前のプレーでは決定機を外していた鈴木だが、「自分が取ったPK」では見事にGKの逆をついてネットを揺らし、勝負を決定づけた。(C)SOCCER DIGEST

 ボールを携えてPKを蹴る準備をしていると、浦和の選手からヤジが飛ぶ。
 
「右だろ、右か? 右だな」
「大丈夫? 足、震えてるよ」
 
 しかし、鈴木優磨はまったく動じない。そもそも、右か左に蹴るか、本人も分からないのだから、心が乱されようがない。
 
 本当は、PKのキッカーは自分ではなかった。でも、「自分が取ったPK。なにより、100パーセント、決める自信があった。その自信があるのに、譲るのはおかしいと思ったので、自分が蹴りたいと言いました」。
 
 PKには絶対の自信があった。助走で一回、止まる。そうすると、GKは必ずどっちかに動くもの。GKの足しか見ていない。それで、GKが動いたのと逆のほうに蹴り込む。
 
 だから、右か左かどっちに蹴るか分からなかったし、雑音も気にならなかった。
 
「あれだけ言われて、きれいに決められたから、気持ち良かった」
 
 技術の高さと、ハートの強さ。途中出場の若きアタッカーが勝負を決定づける大仕事をやってのけた。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
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