【指揮官コラム】カターレ富山監督 三浦泰年の『情熱地泰』|日本戦で思わぬ富山の洗礼を受けて考えたこと

2016年06月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

キリンカップの決勝をテレビ観戦しようとしたところ……。

キリンカップのボスニア・ヘルツェゴビナ戦を観戦しようとした三浦監督を襲った悲劇とは……。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 先日、キリンカップの決勝・日本-ボスニア戦を見ようとテレビのチャンネルを探った。だが、放送していない。これがまた富山の現実だ。
 
 その時はまだクラブハウスにいたため、マネージャーに確認すると、ケーブルテレビの朝日テレビでしか放送しないということを知るはめになった。
 
「まさか…」。信じられない話だが、事実だ。
 
 しかもクラブハウスにある大きなテレビでは、民放1社とNHKしか映らないというので、少し苛立っていた。民放が映ったとしても今夜は日本代表の試合を、富山では放送してないというのだ。
 
 実はこの日、17時からのトレーニングとコーチングスタッフとのミーティングが長引き、19時半のキックオフは過ぎていた。
 
 前半をクラブハウスで観戦し、ハーフタイムの間に移動して後半は戻って見ようと考えたのだが、見れないことにショックを受けるというよりも、富山ワールドになぜか微笑んでしまった。
 
 昨年はタイ(チェンマイ)で、なかなか日本代表戦を確認できない生活を強いられていたのだが、まさか日本に戻って来てまで日本代表戦を見れないとは……。
 
 びっくりした反面、サッカー界もまだまだだと実感した。
 
 もちろんケーブルテレビを契約していれば誰もが見られるのかもしれないが、オンタイム(生放送)で映像が流れない場所があるとは、思いもしなかった。
 
 きっと富山では、今までも何度かあったのかもしれない。これは考えものだ……。国民的な行事に近いものと思う我々にとっては、あってはいけない出来事に遭遇した感じであった。
 
 しかし、テレビの視聴環境は良くないかもしれないが、実は富山はサッカーに理解と関心の深い土地柄で、その魅力を知っている人が多い県でもある。
 
 例えば、2013年度の全国高校サッカー選手権大会決勝で、富山一高と石川県代表の星稜高が対戦した試合では、テレビの視聴率が62.6パーセントを記録。金沢の49.0パーセント(こちらも凄い数字だが…)を遥かに上回ったという。
 
 育成年代でのサッカーを取り巻く環境は北陸地方のなかでもかなり整っており、天然芝、人工芝のグラウンドも数多く備える地域でもある。地元の人が言うところでは、今は少し金沢や新潟などに越された感はあるが、以前は北信越・北陸を引っ張る立場であったというし、これからまだまだ伸びる可能性はあると信じている。
 
 そんな富山で日本代表戦が生放送で流れない……。悔しいと同時に、日本全国に流れるようにしようではないか、と。この切実な願いは、いったい誰に言えば叶えてくれるのであろうか?
 

次ページテレビで見ている人、見られない人にも良い知らせを届けたい。

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