マスチェラーノはユーベ、バッカはウェストハムと交渉中。コパ・アメリカ参戦選手の去就に注目だ

2016年06月09日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

コパ・アメリカはカルチョメルカートにとって格好の見本市。

ユベントスと交渉中のマスチェラーノ。ただ、バルサは移籍に難色を示しており、一筋縄に決まりそうにはない。(C)Getty Images

 6月3日に開幕した100周年記念のコパ・アメリカ・センテナリオは、6月10日にスタートするEURO2016と並んで、カルチョメルカートに(移籍市場)とって格好の見本市でもある。
 
 今大会は、ヨーロッパの移籍マーケットで主役を演じる可能性を持ったプレーヤーが少なくない。主な選手をリストアップしてみたい。
 
 まず、ダニエウ・アウベス(ブラジル/バルセロナ)は、2年+1年延長のオプションつき契約で、すでにユベントスと合意済みだ。遠からず正式発表されるだろう。
 
 そのユーべはハビエル・マスチェラーノ(アルゼンチン/バルセロナ)とも交渉を進めているが、こちらはバルサが難色を示しており、引き抜けるかまだ分からない。最後はマスチェラーノ自身の決断が大きな鍵を握るだろう。
 
 また、カルロス・バッカ(コロンビア/ミラン)にはウェストハムが強い興味を示しており、今週中にも代理人がロンドンでクラブ幹部と会談を持つ見通しだ。両者が合意した後、ミランとのクラブ間交渉に入るという段取り。ウェストハムが用意しているのは2000万ユーロ(約25億円)だが、ミランは最低でも2600万ユーロ(約33億円)を要求している。
 
 MFマティアス・ベシーノ(ウルグアイ/フィオレンティーナ)を狙っているのが、ナポリだ。また、仮にラジャ・ナインゴランかミラレム・ピャニッチに断れないようなオファーが届けば、ローマもその穴埋めとして獲得に動くだろう。
 
 ナポリは同じくMFのエクトル・エレーラ(メキシコ/ポルト)とすでに個人合意済み。ただ、ポルトの2500万ユーロという要求額に二の足を踏んでおり、また新監督ヌーノ・エスピリト・サントの意向次第では、さらに交渉が難しくなる可能性がある。
 
 トマス・リンコン(ベネズエラ/ジェノア)にはベシーノが引き抜かれそうなフィオレンティーナ、そして新シーズンからセリエAに復帰するカリアリが関心を持っている。ジェノアとカリアリの交渉は合意寸前まで進んでいるが、本人の気持ちはフィレンツェ行きに傾いており、説得が必要だ。
 
 エベル・バネガ(アルゼンチン/セビージャ)のインテル行きはすでに決定事項。セビージャとの契約はこの6月一杯で満了し、クラブが1年延長のオプションを行使しないためのペナルティーもインテルが支払い済みで、あとは正式発表を待つのみという状況だ。
 
 セレソンの守護神アリソン(ブラジル/インテルナシオナル)はすでにローマ移籍が決定しているが、ルチアーノ・スパレッティ監督は15-16シーズンの正GKであるヴォイチェフ・シュチェスニー(保有権はアーセナル)のレンタル継続or買い取りを希望している。その成り行きによっては、アリソンはセリエAの他クラブにレンタルされる可能性もある。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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