【EURO2016】エッフェル塔のファンゾーンは開幕2日前で未完成…。自撮り棒詐欺や貴重品管理には要注意!

2016年06月09日 白鳥大知(サッカーダイジェスト特派)

大会開幕を2日後に控えるが、まだ車両と作業員が忙しなく動いていた。

EURO2016開催に合わせてサッカーボールが飾られているエッフェル塔。大会中はその裏手にあるシャン・ド・マルス公園にファンゾーンが設けられる。写真:佐藤明(サッカーダイジェスト写真部)

 サッカーダイジェストのEURO2016特派班は、6月7日にパリに到着。翌8日にはパルク・デ・プランスで取材パス取得の手続きをし、その帰りにエッフェル塔近くのファンゾーンに立ち寄った。
 
 現地在住者はもちろん、日本からフランスに渡る方の中も、ファンゾーンで試合を観戦する人は少なくないだろう。ちょっとでも参考にしていただけたら幸いだ。
 
 パルク・デ・プランス近くからメトロ9号線に乗ると、電車内にもかかわらず、謎の男女2人組がAviciiの『Wake Me Up』をアコースティックギターと生歌で鳴らしていた。どうでもいいが、なかなか上手い。
 
 イエナ駅で降りて、セーヌ川に向かって歩いていくと、エッフェル塔が見えてくる。周辺には多くの駅があるので、行き方は様々だろうが、ファンゾーンはエッフェル塔裏手のシャン・ド・マルス公園に設置されるため、多くの人がエッフェル塔の下をくぐっていくことになるだろう。
 
 ただ、昨年11月のパリ同時多発テロ以降は警戒レベルが上がったらしく、エッフェル塔に近寄るには簡単なセキュリティーチェックが必要。ペットボトルなど液体物が入ったものも持ち込めない。
 
 エッフェル塔の下を通ってシャン・ド・マルス公園に入ると、観光客や現地の人たちが写真を撮ったり、昼寝をしたりしている。かなり長閑な雰囲気だ。
 
 そして、ファンゾーンは開幕を2日後に控えながらいまだ工事中。巨大ビジョンもまだ見当たらず、車両と作業員が忙しなく動いている。現地サイトなどによると、約9万人が観戦できるスペースになるらしいが、公園奥は工事中でまだ立ち入り禁止だったため、どんなファンゾーンになるのか正確には掴めなかった。
 
 ただ、公園内にはエッフェル塔の小さな模型やキーホルダー、そして自撮り棒を持った黒人たちがたむろしていた。前者は「キーホルダーが5個で1ユーロ(約125円)」という目を疑うような値段もあったため、欲しい人は買ってもいいと思うが、後者にはとりわけ注意が必要。ヨーロッパの観光地ではよく見かける光景だが、スマートフォンで写真を撮っている観光客に「自撮り棒を使うかい?」とまるで善意で貸すかのうように声をかけ、撮影後にカネを請求する簡単な詐欺である。
 
 実際この日も、それを知らずに自撮り棒を使った観光客風の男性が、若干の口論の後、渋々の表情でカネを払っていた。差し出していたのは10ユーロ札で、お釣りはなし。自撮り棒を数回使っただけで、1250円は完全にぼったくりだ。
 
 数人の男性グループがニヤニヤしながら「ハロー」と声をかけてきたり(筆者はシカトした)、奇声を上げる酔っ払いがいたり、シャン・ド・マルス公園の治安はお世辞にも良いとは言えない。スリなどにも注意したいところだ。
 
 ファンゾーンは観戦チケットがなくても多くの人達と試合の興奮を共有できる楽しいスペースだが、自撮り棒詐欺や貴重品管理などにはくれぐれもご注意願いたい。
 
現地取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェスト特派)
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