【セルジオ越後の天国と地獄】敗戦でお祭りムードが消え、「アモーレ祭り」も終息だね

2016年06月08日 サッカーダイジェスト編集部

敗戦でお祭りムードが消えて、「アモーレ」という言葉は、さすがに多用しづらいんじゃない(笑)。

日本はブルガリア戦で2失点し、今日も同じく2ゴールを決められた。日本の現状では、相手が一定以上のレベルだと、守り切れる気がしないよ。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 3日に対戦したブルガリアが弱すぎて、今日のボスニア・ヘルツェゴビナ戦では、その反動が現われたね。同日の3位決定戦で、デンマークはブルガリアに4-0と完勝していた。いかにブルガリアのレベルが低かったか分かるよ。
 
 ブルガリア戦の評価について、周りは僕のことを辛口と言うけれど、今日の日本の体たらくを見たら、決して辛口じゃないと分かるんじゃないかな。弱いブルガリアに勝利し、世間が「お祭りムード」になっていただけというのが、よく分かったでしょ。
 
 敗戦でそのお祭りムードが消えて、最近よく見かける「アモーレ」という言葉も、さすがに多用しづらいんじゃない(笑)。そろそろ「アモーレ祭り」も終息だね。
 
 気を引き締め直すという意味で、この敗戦は大きな収穫だね。ブルガリア戦の大勝は、日本が強いというより、相手が弱すぎただけ。ボスニア・ヘルツェゴビナ戦の日本が、本当の姿だということだよ。それに、今日の相手も決して強くなかった。
 
 日本はブルガリア戦で2失点し、今日も同じく2ゴールを決められた。相手の質が少し上がっただけで、守備の課題を露呈したんだ。日本の現状では、相手が一定以上のレベルだと、守り切れる気がしないよ。
 
 ボスニア・ヘルツェゴビナは、今夏のEURO出場を逃した国で、しかもフルメンバーではなかった。いわば2軍だからね。日本はホームの利もありながら負けた。本田や香川がベンチだったという最高の言い訳が残されているけど、ふたりが出場しても守備があれでは、不安ばかりが募るよ。
 
 皮肉なことだけど、ブルガリア戦に出場して、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦に出場しなかった選手は評価を上げたね。
 
 ブルガリア戦後に「ポスト遠藤保仁」と持ち上げられた柏木にしても、今日は何かした? ブルガリア戦のようにフリーでプレーできるなら、多くの選手が活躍できたし、「ポスト遠藤」の候補で溢れかえるよ。でも実際は、少しレベルが上がると、目立ったパフォーマンスはできなかった。これが現実だよね。
 

次ページ宇佐美や清武にしても、結局、”途中投入要員”というイメージをぬぐい切れない。

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