小林悠×太田宏介スペシャル対談。目の当たりにした三笘薫、旗手怜央、田中碧の異質ぶり。気付くべきサッカー人生の短さ

2024年11月01日 本田健介(サッカーダイジェスト)

「試合に出ることってベテランになればなるほど大事」(太田)

切磋琢磨してきたふたり。今後もその間柄は変わらなそうだ。写真:滝川敏之

 ふたりのスペシャル対談も最後の第4弾だ。多くの経験を積んできたふたりだからこそ、後進たちへ伝えられるメッセージがある。そして今後への想いとは?(全4回の4回目)。

――◆――◆――

――改めてやっぱり30歳を過ぎると身体の変化を感じるようになりますか?

小林 35歳ぐらいからですかね。

太田 でも年齢よりも、試合に出られなくなってくるタイミングがひとつの境なのかもしれないですね。試合に出られないと、コンディション作りはやっぱり大変。毎週定期的に試合がくるなかで、どう準備をするか。

小林 コンディションもそうだし、気持ちの面でも難しいところはあるよね。試合に出続けていれば、コンディショは落ちにくいし、気持ちの切り替えもできるから。でも先ほども先輩たちの姿について話したけど、常に気持ちを高く持っていなくてはいけない。

太田 俺はやり続けたことがつながって、去年、最後の5、6試合に先発で出られたけど、コンディション、身体の調子が上がっていく感覚を久しぶりに感じて。

小林 そこはそうだよね。

太田 試合に出ることって、やっぱりベテランになればなるほど、大事なんだなって。試合をやるにつれてどんどん動けるようになって、自信もついてくるし、自分の中で終わりだと思っていたけどやれるじゃん、と。だから、ヤバい、引退するってもう言っちゃったって気持ちも(笑)。

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――小林選手は気持ちの作り方として特別な方法はあるんですか?

小林 どうだろう? でもベンチでも試合が始まっちゃえば、自然と気持ちは高ぶっていきますし、負けていたり、ゴールが必要な場面のほうが、勝手にモチベーションは上がりますね。

太田 あとは家族のためとかじゃない? 若い時と違って、家族ができて、子どもが生まれて、子どものためにという想いが強烈なモチベーションになるよね。

小林 それはまさにだね。

――さて色々な話を訊いてきましたが、小林選手と言えば、愛情を込めて"ポンコツ"と呼ばれることが多く、ピッチを一度離れると、様々なネタを提供してくれています。今季の開幕前には「二桁ゴール」と目標を書こうとしたところを「二行ゴール」と書いてしまい、話題になりました。

太田 そういうとこはかわいいよね(笑)。

小林 でも高校の時まではそんなことはなかったよね? しっかりしていたと思うんだよな。

太田 それは確かに、悠はめちゃくちゃしっかりしていた。逆に俺が隣の席の悠に色々聞いていたくらいだから。

小林 その感覚をもう忘れちゃっているんだけどね(笑)。

太田 悠はポンコツではなく、真面目な優等生だったんだよな。

小林 ほら!! 聞きました? そういうことなんですよ。でもどこかのタイミングで今のようになって...。

――今では小林選手のネタは満載ですからね。最近も何かありましたか?

小林 いっぱいありすぎて分からないんですよね。それこそ、この間、前泊していたホテルでエレベーターのほうに行こうとしたのに、なぜかひとりで行き止まりのほうに向かって歩いていて。バレないように無言で戻ったんだけど、それを(山内)日向汰に見られていて、『どこ行こうとしていたんですか?』とツッコまれたり。

太田 でも良いと思うよ。俺らの頃って、ベテランの選手はやっぱり怖かったけど、悠はみんなから愛されているから。

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