7試合ぶりのクリーンシートをもたらした湘南の新守護神。東京V戦の背番号99はまさに“神”福元だった

2024年10月07日 岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

「前線の選手たちにチームを救ってもらっていた」

東京V戦で湘南加入後初のクリーンシートを達成した上福元。特に、69分の相手MF齊藤のシュートに対するセービングは見事だった。写真:鈴木颯太朗

 この日の99番は、まさに"神"福元だった。10月6日、湘南ベルマーレが東京ヴェルディを2-0で下した一戦、勝利の立役者になったのは湘南のGK上福元直人(かみふくもと・なおと)だ。

 今夏、川崎フロンターレから加入した34歳の守護神は、持ち味のビルドアップでの貢献に加え、まさに"神"ビッグセーブを連発。相手のセットプレーやロングボールには果敢な飛び出しで対応し、チームに7試合ぶりのクリーンシートをもたらした。

 この日は古巣の東京Vとの一戦。その試合で湘南加入後、ベストと言えるパフォーマンスを見せた男は率直な想いを口にした。

「ここまで試合に使ってもらっていましたが、個人的なパフォーマンスが上がり切らず、自分自身、きっかけを必要としていた。そんななかで迎えた古巣との対戦でした。当然、気持ちは入りましたし、良いタイミングで、チームを助けるプレーを見せられたのかなと」
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 本人が語るように、湘南加入後、上福元は苦戦を強いられていた。28節の名古屋グランパス戦で初出場を飾るも、セットプレーから失点し、0-1で敗戦。29節のサガン鳥栖戦では2-1での勝利に寄与も、30節・アルビレックス新潟(1-3)と31節・セレッソ大阪戦(1-2)で連敗した。

 前節の鹿島アントラーズ戦(3-2)は劇的な逆転勝利を収めたが、自身としては3試合連続の複数失点、5試合連続の失点と、喜びきれない状況であった。

 もちろん、失点はGKの責任だけではないが、チームの最後の砦として、思うところはあったのだろう。上福元は苦境の時期を振り返る。

「これまでは前線の選手たちにチームを救ってもらっていた。後ろで粘り強く守って、自分のセーブでもチームを助けながら勝たせる、という試合を作れませんでした。

 だからこそ、今日は良い守備から良い攻撃につなげるために、粘り強さを意識して試合に入りました。結果、そういった想いがプレーに反映される場面もあったのかなと思いますし、チームとして、みんなで協力して守るシーンも多かった。残りの試合も、粘り強さを大事にしながらやっていきたい。まだ、何も得ていないので」

 湘南は現在15位。J2降格圏(18位~20位)の18位・ジュビロ磐田との勝点差は6あるが、磐田は消化試合がひとつ少ないため、油断できない状況が続いている。

 いち早くJ1残留を決めるには、上福元がこだわる"勝負強さ"が何より重要と言える。今季の残り5試合、東京V戦で掴んだ守備の手応えを糧に、着実に勝点を重ねたい。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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