小林祐希がハリルジャパンに初招集。日本代表でも“ユウキ節”が炸裂か?

2016年05月26日 小田智史(サッカーダイジェスト)

「“成長”と言われるけど、これがベース。自分はまだまだ満足していない」(小林)

11節から3試合連続ゴールをマーク。強烈なインパクトを残して代表入りを勝ち獲ったが、本人は「これが俺のベース」を言い切り、「もっとできる、という声をください」と求める。 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 6月3日、7日のキリンカップに向けた日本代表メンバーが発表され、磐田の小林祐希が初選出された。磐田からの代表戦士は、2014年ワールドカップの伊野波雅彦(現・神戸)以来のことだ。
 
 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が13節の甲府戦を視察に訪れた際、「かなりいい選手」と評したあたりから、にわかに小林の「代表選出論」が浮上。欧州組を対象とした事前合宿をスタートした5月24日に、「新しく若い選手をふたり呼びたいと考えている」と新戦力招集を"予告"してさらに議論は熱を帯びた。しかし、世論などどこ吹く風、とばかりに小林は冷静だった。自身初となる3試合連続ゴールを挙げた甲府戦後、彼はこんなコメントを残している。
 
「"成長"と言われるけど、成長じゃないと俺は常に言っている。これがベースなので、いつも同じプレーができるようにと思ってやっているし、成長したと言ってもらえるのは嬉しいけど、自分はまだまだ満足していない。見てくれている方々にも満足してほしくないなと。なので、『もっとできるぞ』という声をたくさんください(笑)」
 
 今季、名波浩監督からは「(小林は)試合を重ねるごとにパフォーマンスが良くなっている。急速に成長しているひとり」と全幅の信頼を置かれてきた。11節の鹿島戦後には同監督から「日本代表入りや海外移籍向けて、さらに自信を深めて、良いパフォーマンスを出してほしい」とエールを受けていたが、一か月も経たないうちに、実際に日本代表入りを果たしたのだから、"規格外"と言っても過言ではないだろう。
 
 小林は天才肌のイメージがあるが、努力家の一面を持ち合わせる。例えば、5節の大宮戦でJ1初ゴールを利き足とは逆の右足で豪快に突き刺した。名波監督曰く「居残りのシュート練習の成果が間違いなく出たシーン」。本人も「身体が自然に動いた」と振り返るように、右足でシュートを打つ意識をすり込んできた結果、メモリアルゴールが生まれた。
 
「得点を取って、俺に対するマークの激しさも増してくるだろうけど、相手は(利き足の左足以外に)右足もあるから寄せ切れなくなって、バイタルでボール持った時に人は前にいてもスペースはある状態が出てくる。右を見せていけば、もっと左も活きてくるし、面白くなると思う」
 

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