ミランは本田が攻守に奮闘するも、ユーベがモラタの延長ゴールでコッパ・イタリア連覇!

2016年05月22日 サッカーダイジェストWeb編集部

巧みなプレスでユベントスに自由を与えなかったミラン。

クツカとの連携でポグバを封じた本田。その奮闘がミランにリズムを生み出し、イタリア王者と好ゲームを演じた主因ともなった。 (C) Getty Images

 現地5月21日、ローマのオリンピコでコッパ・イタリア決勝が開催され、本田が所属するミランがセリエA王者のユベントスと対戦した。
 
 満員の会場の雰囲気に後押しされるように、両チームとも立ち上がりから素早いトランジションを繰り返し、主導権を握ろうと中盤でせめぎ合った。右ウイングで先発起用された本田は、ハイプレッシャーを怠らず、ポグバやエブラを牽制して、ユーベの攻撃の起点を潰した。
 
 その本田は38分、右サイドのボックス脇でクツカからのボールを受けると、マイナス気味に丁寧なグラウンダーのパスを出し、走り込んだポーリのシュートを演出。これは枠を捉えることはなかったが、日本代表MFは攻撃の起点となった。
 
 しっかりと足下で繋ごうとするユーベに対し、チーム全体で連動しながらプレスをかけ続けるミランという構図となった試合は、スコアレスのまま前半が終了した。
 
 後半も、ミランの組織だった素早いチャージは、個人技とロングボールを織り交ぜながら状況の打開を図り、リズムを変えようとするユーベを完全に抑え込んだ。しかしながらミランも、相手の強固な3バックを崩す術を見出せず、決定的シーンを作り出せないまま、時間だけが経過していった。
 
 84分、ミランは2月に交通事故で離脱し、5月9日にチーム練習に復帰したばかりのFWニアングを、MFポーリに代えてピッチへ送り出した。しかし、そのニアングもなかなか良い形でボールを受けられず、結局はスコアレスのまま延長戦に突入した。
 
 延長戦に入ると、両チームの疲れもあって試合はオープンな展開となる。まずはユーベが103分、ポグバがゴール正面20m地点から枠を捉えるシュートを放つが、これは敵GKドンナルンマに弾き出された。ミランも直後、ペナルティーエリア内でフリーとなったバッカがオーバーヘッドで狙うも、こちらはボールがバーの上を越えた。
 
 互いにチャンスを決めきれないなかで、ユーベは108分、エルナネスに代えてモラタを投入。そして、この交代策が見事に的中する。110分、自陣深くで相手ボールをさらい、カウンターを発動させたルミナが中央を突破し、右サイドを駆け上がってきたクアドラードに展開する。
 
 コロンビア人ウインガーは緩やかで正確なクロスボールをミランの守備陣形が整う前にペナルティーエリアに放り込み、それをモラタが倒れ込みながらのハーフボレーでゴール左下隅に流し込んだのだ。
 
 先手を取ったユーベはその後、バロテッリを送り出した最後の賭けに出たミランの反撃を巧みにかわし、120分間の激闘は1-0で終了した。
 
 ユーべは2シーズン連続11回目のコッパ・イタリア王者に輝き、15-16シーズンをスクデットとの二冠で締めくくった。
 
 一方、敗れたミランはこれで来シーズンのヨーロッパリーグ出場がなくなり、3年連続で欧州カップ戦出場権を逃すことになった。
 
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