J2で“22番目のチーム”町田の快進撃。相馬監督が選手に説く「チャレンジャー精神」

2016年05月20日 郡司 聡

昇格争いに加わる町田。一度はチームを離れた相馬監督の手腕がJ2で花開く。

町田を率いて3シーズン目となる相馬監督。チームは13節を終了して2位と快進撃を続ける。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 1年でのJ2復帰を目指した2013シーズン、FC町田ゼルビアはJFLで4位に終わった。失意に暮れた2013年から再起を図る翌シーズン、誰を新監督に据えるのか――。
 
 2013シーズンが終わったあと、強化部長に就任した丸山竜平氏の腹積もりは、2010シーズン以来となる相馬直樹監督復帰の"一本釣り"で決まっていた。かくして2014シーズンの指揮権は、2010年以来の監督復帰となる相馬氏に託された。あれから3年。相馬監督の手腕はいま、J2で花開こうとしている。
 
 現役時代、理論派で鳴らした相馬監督が標榜するチームコンセプトのキーワードは、コンパクトな陣形の守備ブロックと素早い攻守転換。最終ラインは高いライン設定を維持し、チーム全体では選手同士の距離を詰めながらコンパクトな陣形を構築する。
 
 例えば相手がボールポゼッションをしている際にはコンパクトな3ラインで守備ブロックを築き、ボールサイドに人数をかけてボールを奪う守備戦術がチームの基軸となっている。そして局面では激しい球際の攻防からボールを奪い取り、素早い攻守の切り替えと味方を追い越す動きでショートカウンターを仕掛ける。
 
 こうした相馬監督が標榜するスタイルは、"キワ"の攻防にこだわり、ディテールの追求が勝利につながることを信じて、真摯に対戦相手と向き合うものだ。町田はチャレンジ精神旺盛なサッカーで着実に勝点を積み重ねている。
 

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