「欧州はハッキリしてる」長谷部誠が語るフットボール最先端の実情。ドイツで得た「お金では買えない」財産は?

2024年07月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

「僕はどちらかというと、日本人の中でも日本人」

ブンデスリーガで17季プレーした長谷部氏。写真:田中研治(サッカーダイジェスト写真部)

 9月から現役時代最後に在籍したフランクフルトのU-21でコーチを務める長谷部誠氏が7月13日、サッカー専門番組『サタデーナイトJ』に出演した。

 その後に同番組の公式YouTubeで公開されたアフタートークでは、共演した浦和レッズの先輩、鈴木啓太氏からの様々な質問に対応。「欧州クラブとJリーグの運営の違い」を問われた際には、「Jリーグは6年間プレーしましたけど、ただサッカーをやっていただけなので。そういう意味でいえば違いは分からないです」と前置きしたうえで、フットボールの最先端の実情をこう語った。

「やっぱりヨーロッパは、すごくビジネス、ビジネスしてますよね。ハッキリしてます。クラブにもよりますけど、うちのクラブは若い選手をどんどん獲って、高く売る。オファーが来たら売る、みたいな。選手がスポンサーに協力するところとかは、すごく多いですね。

 ビッグクラブは放映権料とかがたくさん入ってくるのはあると思いますけど、それでももちろん努力してるところは努力しています。ただ、下のクラブがやるようなことはやらなかったりする、プライドもあるクラブはあると思います」
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 現在40歳の元日本代表キャプテンは、浦和から2007-08シーズン冬にヴォルフスブルクに移籍して以降、ニュルンベルク、フランクフルトと活躍の場を変えながら、計17シーズンもの間ブンデスリーガでプレー。同リーグ384試合の出場は、外国人選手としては、元ペルー代表のクラウディオ・ピサロ氏(490試合)に次いで2位タイだ。

 現地で確固たる地位を築いたなか、鈴木氏から「街歩いてると、どんな感じなの? カイザーって言われてるの?」と興味津々に尋ねられると、「いやいやいや違いますよ」と食い気味に否定。ただ、地元民からの愛は強く感じられたようだ。

「『ハセベ!』って言われて。普通に『写真撮ろうぜ』とか。『レジェンド!』『じゃあ!』とか言われて、もうそんな感じです。結構フランクな感じです。外国人として、フランクフルトの街で認められたなっていうのはあります。お金で買えるようなものじゃないじゃないですか。そういうものは1つ自分の財産だと思っていますね」

 身も心もドイツにどっぷり浸かっているが、あくまで「絶対僕は日本人です」と譲らない。

「自分、日本人だなと思いますよ。向こうの人の感覚はやっぱり、ちょっと違うなと思いますもん。もちろんそっちに寄っていく部分もありますけど。僕はどちらかというと、日本人の中でも日本人っぽいと思っているので。その強みを活かして、向こうでやってる感じですね」

 和の心を決して忘れないドイツのレジェンドは、指導者としても一握りの存在となれるか。長谷部コーチの新たな挑戦に期待したい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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