大岩ジャパンのパリ五輪初戦の相手、パラグアイはどんなチーム? 攻撃のタレントが豊富な南米王者、日本にとって危険なのは...

2024年07月14日 河治良幸

メンバー18人を発表後に混乱も

大岩ジャパンのグループステージ初戦の相手パラグアイ。攻撃陣にタレントを揃える。(C)Getty Images

 4年に1度の夏の祭典、オリンピックの開幕が近づいている。56年ぶりのメダル獲得を目ざすU-23日本代表は、グループステージで7月25日にパラグアイ、28日にマリ、31日にイスラエルと火花を散らす。日本が戦う3か国はどんなチームなのか。ここでは初戦の相手、U-23パラグアイ代表を紹介する。

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 パリ五輪予選で南米王者となり、銀メダルを獲得した2004年アテネ以来の五輪出場となる。

 カルロス・ハラ・サギエル監督は7月3日に18人のメンバーをリリースしたが、そこからGKアンヘル・ゴンサレス(リベルタ)が怪我で外れて、代わりにオーバーエイジ枠を活用して、A代表経験のあるGKロベルト・フェルナンデス(ボタフォゴ)を追加。またMFグスタボ・カバジェロ(ナシオナル)をバックアップに回して、オーバーエイジのDFファビアン・バルブエナ(ディナモ・モスクワ)を入れた。

 しかし、MFファブリツィオ・ペラルタ(セロ・ポルテーニョ)が移籍先のブラジル1部クルゼイロのメディカルチェックで問題が発生し、参加辞退に。結局、カバジェロが18人に戻るという混乱が生じた。

 中盤の要であり、予選でブラジル戦撃破の立役者となったペラルタの欠場は痛いが、MLSでメッシとホットラインを形成するパワーとテクニック兼備のディエゴ・ゴメス(インテル・マイアミ)を中心に、左サイドの仕掛け人であるエンソ・ゴンサレス(ウォルバーハンプトン)、192センチのFWケビン・パルザユク(オリンピア)など攻撃のタレントは豊富だ。

 ディフェンスラインはオーバーエイジのバルブエナを除くと、みな国内組の選手たちだが、圧倒的な空中戦を誇るロナルド・デ・へスス(セロ・ポルテーニョ)や強靭なジルベルト・フローレス(トリニデンセ)など、パリ五輪で評価を高めうるタレントが揃っている。
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 しかしながら、中心はA代表でも経験豊富な32歳のバルブエナだろう。1対1に強いうえに、統率力のある選手だ。それこそアテネ五輪でオーバーエイジとして支えた、伝説的なセンターバックであるカルロス・ガマーラのような存在感を発揮すれば、パラグアイは日本、イスラエル、マリと強敵揃いのグループを突破して、メダル獲得に届く可能性も高まる。

 GKも怪我で外れたアンヘル・ゴンサレスはブラジル戦でのPKストップなど、パリ行きの功労者のひとりであることは間違いないが、オーバーエイジのロベルト・フェルナンデスで埋められることは大きい。

 彼らの強みは五輪予選で一緒に戦ったメンバーが、本大会も大半を占めること。連係面やバランスの良さは安定した戦いを支えそうだ。

 ペラルタが抜けた穴はマルコス・ゴメス(オリンピア)あたりが埋めることになりそうだが、ペラルタの相棒だったウィルトル・ビエラ(セロ・ポルテーニョ)がシンプルに長短のパスを振り分けて、アタッカー陣を生かすベースは揺るがない。

 そこからエンソ・ゴンサレスやマルセロ・フェルナンデス(リベルタ)が仕掛けてディエゴ・ゴメスや1トップのパルザユク、あるいは貴重な欧州組であるディエゴ・ゴンサレス(ラツィオ)と絡んで、鋭いフィニッシュに繋げる。

 日本にとっても危険なのはセットプレーで、ディエゴ・ゴメスの良質な右足のキックは正確にターゲットを捉えることができる。

 FWバルザユクやDFデ・へススという190センチオーバーの選手に加えて、オーバーエイジのバルブエナも188センチの上背があり、しかもフィジカル的な能力が非常に高い。

 エンソ・ゴンサレスなどのドリブルには要注意だが、CKはもちろん嫌な位置でFKのチャンスを与えてしまうことはできるだけ避けたい。

取材・文●河治良幸

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