CL決勝進出も悔しさを滲ませたC・ロナウド。試合後にはチームから距離を置き…

2016年05月05日 白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

まるで「俺が試合を決めてやる。だから引くな」と言わんばかり。

両チーム最多の5本のシュートを放ちながら、ノーゴールに終わったC・ロナウド。復帰初戦だっただけに、コンディションがいまひとつだった。 (C) Getty Images

 5月4日(現地時間)のチャンピオンズ・リーグ(CL)準決勝セカンドレグ。ガレス・ベイルが放ったシュートがフェルナンドの足に当たって決まった20分のオウンゴールが決勝点となって、レアル・マドリーがマンチェスター・シティを1-0で下し、ファイナル進出を決めた。

 戦前から大きな注目を集めたのが、クリスチアーノ・ロナウドだ。
 
 右太腿を痛めて戦線離脱し、チームの全体練習に加わったのは試合の3日前。シティとのファーストレグを含めて直近3試合を欠場し、公式戦出場は4月20日以来、2週間ぶりだった。コンディションは決して万全ではなかっただろう。
 
 実際、この日は両チーム最多の5本のシュートを放ちながらゴールはなし。ヘディングには類稀なバネが、キックには規格外のインパクトの強さが、絶好調時と比べればやや欠けていたように見せた。
 
 それでも、左サイドからセンターを中心に動き回ってパスを引き出し、ドリブルの切れ味もまずまず。56分にヘセと代わったルーカス・バスケスが右サイドに入り、ガレス・ベイルが左サイドに回って以降は、CFにポジションを移し、事実上の1トップとしてシティ守備陣に脅威を与えた。
 
 印象的だったのが、74分のワンシーン。ファーストレグがスコアレスドローだったため、マドリーはこのまま1-0で勝てば決勝進出が決まる一方、失点して1-1で終わればアウェーゴールの差で敗退する。
 
 そのため、ホームチームは失点の恐怖に苛まれたか、この前後の時間帯は、自陣の低い位置に守備ブロックを敷く受け身の陣形を取っていた。
 
「上がれ! 前からプレスしろ!」
 
 その中で最前線のC・ロナウドだけは、身振り手振りをまじえてチームメイトにそんな支持を送っていた。まるで、「俺がもう1点取って、試合を決めてやる! だから引くな!」と言わんばかりに。

次ページ喜ぶ前にノーゴールを悔やむあたりが、いかにも彼らしかった。

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