3日目を迎えた『NIKE MOST WANTED グローバルファイナル』。高梨起生と波田野海がそれぞれの持ち味を随所で発揮!

2016年05月01日 白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

「信頼」、「自信」、「連携」というテーマをいずれもしっかりクリアした。

パリでのセレクション3日目、要所で技術を発揮した高梨(左)と波田野(右)はアピールに成功している。(C)NIKE

 フランス・パリ郊外にある世界最高峰のトレーニングセンター『クレールフォンテーヌ』で現地時間4月30日、『NIKE MOST WANTED グローバルファイナル』の3日目が開催された。
 
 イングランドに本拠を置くプロ養成所『ナイキアカデミー』入寮の権利を懸けた世界規模のスカウトプロジェクトである同セレクション。参加者40名は午前と午後の一度ずつ3チームに分かれてトレーニングを行ない、"日本代表"として参戦しているMF高梨起生(尚志高校→流通経済大学)とMF波田野海(聖和学園高校卒)は引き続きAチームでプレーした。
 
 1対1、2対2、4対2、4対3、6対3、6対6など前日と比べてより実戦形式のトレーニングが多かったメニューの中で高梨と波田野は、それぞれの持ち味をしっかりアピールした。
 
 高梨は技巧を駆使したドリブルやパスが評価されて外国人のチームメイトの信頼を掴んだのか、確実にパスが集まっていた。そして、6対6では軽やかにDFを抜き去ったあとにGKとの1対1を制してゴールを決めれば、前日まではほとんど見られなかったコンビネーションによる局面打開も増えて、実際にワンツーで味方の得点をお膳立て。コーチ陣や他国メディアからも感嘆の声が上がっていた。本人はこの日をこう振り返る。
 
「少しずつですが、適切な場所にいればイメージ通りにボールが入ってくるようになって、コンビネーションもできるようになってきました。コミュニケーションも取れてきたし、楽しかったですね。悪くなかったです」
 
 一方の波田野は、やや遠慮気味だった前日とは違い、最大の武器であるドリブル突破を随所で披露し、6対6では瞬発力を活かしてDFを振り切ってゴール。やや強引すぎる仕掛けもあったとはいえチャレンジ自体は評価できるし、パスの正確さ、守備の激しさも見せていただけに、コーチ陣たちへのアピールに成功したと言っていい。本人はこう語る。
 
「チームメイトの特長が分かってきたし、良い感じになってきました。今日の午前中まででパスが出せるのは見せられたと思うので、午後はドリブルもあるっていうことを見せたかった」
 
 コーチがこの日のテーマに掲げた「信頼」、「自信」、「連携」という課題を、いずれもしっかりクリアした2人は、最終日の明日5月1日にBチーム、Cチーム、そして『ナイキアカデミー』との試合に臨む。
 
 Aチームは4-4-2システムを採用する予定で、高梨はボランチかトップ下、波田野は左サイドハーフでの起用が見込まれる。高梨は「ドリブルやスルーパスを見せて、チームが勝てばアピールに繋がると思っています」、波田野は「高い位置で受けたら仕掛けて、そうでなければしっかり基点を作りたい。自分のチーム(Aグループ)しか見ていないですけど、十分にやれる印象はあります」と抱負を語った。
 
 はたして、日本人として初めて『ナイキアカデミー』入りの権利を勝ち取った昨年度の渡邊稜摩(その後、インゴルシュタッドU-23と契約したため入寮はぜず)に続いて、セレクションの勝者となってプロ・フットボーラーへの道を切り開けるのか――。高梨と波田野のパフォーマンスに期待が掛かる。
 
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)
 
【PHOTOギャラリー】『NIKE MOST WANTED グローバルファイナル
 
『NIKE MOST WANTED グローバルファイナル』初日レポ―ト
 
『NIKE MOST WANTED グローバルファイナル』2日目レポート
 
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事