【バイタルエリアの仕事人】vol.41 一森純|ガンバ躍進、日産凱旋で涙のワケ。JFLから全カテゴリーを経験、J1との明確な差は?

2024年06月29日 有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

「一森がゴールマウスを守っていたらなんか勝つな」

好調のG大阪を最後尾から支える一森。45分間のインタビューで様々な思いを語ってくれた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 攻守の重要局面となる「バイタルエリア」で輝く選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第41回は、ガンバ大阪にレンタルバックした一森純だ。

【後編】vol.41 一森純|カシージャスに憧れた守護神は間もなく33歳…「昔と今の30代は違うよ」「変化はマジで感じない」

 大阪府出身で現在32歳の一森は、セレッソ大阪ユース、関西学院大学から、2014年に当時JFLのレノファ山口に加入。がっちりと定位置を掴み、正GKとして1年目のJ3、2年目のJ2昇格に大きく貢献した。

 その後、同じJ2でもファジアーノ岡山に活躍の場を移し、ガンバのレジェンドでもある加地亮氏らとの共闘を経て、2020年にG大阪に加入。ついにJ1の舞台に足を踏み入れた。

 しかし、絶対的存在で日本代表歴もある東口順昭からポジションを奪えず。2023年に横浜F・マリノスに期限付きで移籍すると、新天地で躍動。アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)でもゴールを守り続けるなど、充実の1年を過ごし、スケールアップしてG大阪に戻ってきた。

 迎えた今季は、ライバルの東口が怪我で出遅れるなか、開幕からJ1全試合で先発。16位に沈んだ昨季と打って変わり、首位のFC町田ゼルビアと勝点差2で、3位と好調のチームを、最後尾から支えている。

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 2023年は相当苦しかったと思います。帰って来て、チーム全体として変わろうという気持ちがすごく大きいなと感じました。そこに、「やってやろう」という気持ちの新加入のメンバーが上手く融合して、手を取り合ってやれているのは、好調の要因の1つだと思っています。

 チームの調子はそこまで悪くない状態のなかで、個人としてはもっともっとコンディションを上げていきたいと思っています。
 
 僕は特別に身体能力があるわけでもないです。だからこそ武器は、データで現われにくいようなところに気を遣って、勝利に導くところかなと。「一森がゴールマウスを守っていたらなんか勝つな」という、そういうプレーヤーを目ざしているので、そこがより強みになるといいなと思います。

 昨年はJ1でセーブ率1位になりましたが、手応えはあまりないです。ないと言ったら語弊があるんですけど、どういう状況にあっても不安に駆られていて、「良い感じやな」「手応えあるな」っていう状況にはないです。

 常に「もっと良くならないとやばい」という危機感で過ごしているので、生活していてしんどいし、手応えは別にないけど、逆にそれが良い方向に進んでいるのかなと思っています。

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