【写真検証】G大阪対川崎戦で起きた“誤審疑惑”。あれはPKか否か――?

2016年04月29日

主審によっては、PK判定が下されても不思議はなかった。

22分、中村のスルーパスに反応した小林が、GK東口に倒されたかに見えたが……。 写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

 
 疑惑の場面が起きたのは22分だった。
 
 ボールを保持する川崎は、G大阪のエリア手前で中村憲剛が金正也と丹羽大輝の間に絶妙なスルーパスを通す。その隙間は1メートルほど。その瞬間、完璧なタイミングで抜け出した小林悠は柔らかいタッチでボールを前に運び、GK東口順昭と1対1の場面を迎えた。
 
 小林はフェイントを入れて右足で切り返し、GKの左へ抜きにかかる。東口は逆を突かれて上半身が残り、右足を伸ばして粘り強く対応。だがボールはその横をすり抜け、あとは流し込むだけだった。ところが、ここで小林が倒れるのだ。
 
 倒された小林はPKを確信していたのだろう。主審の山本雄大氏がゴールキックのジェスチャーをすると、「嘘だろ!」と言わんばかりの形相で詰め寄った。大久保嘉人や中村らが駆け寄り、小林もピッチを手で叩いて全身で抗議の意を示したが、結局、判定は覆らない。
 
 小林はやり場のない怒りをどこにもぶつけられず、GK東口が「仕方ない」とばかりに小林の肩に手を回し、優しくなだめたほどだ。
 
 最大の焦点は、GK東口の足が小林にかかっていたのか否か。微妙な場面だったのは事実で、見方によってはダイブとも受け取れる。その一方で、主審によってはPK判定が下されていても不思議はなかった。
 
 小林からすれば「倒された」という言い分は妥当であり、GK東口からすれば「当たっていない」(あるいは相手が自分から倒れた)ということになるだろう。だが、議論の対象になる「その瞬間」を写真で切り取ると、ひとつの事実が浮かび上がる。
 
 それは"足がかかっている"という事実だ。次のページで疑惑のシーンを検証する。
 

次ページ足もとをアップにした写真で見ると、明らかにGK東口の右足が小林の左足に接触。

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事