U-16代表の指揮官も熱視線。駒澤大高の9大会ぶりインハイ出場に貢献した2年生ストライカー岩井優太とは何者か

2024年06月16日 松尾祐希

ヘッドで折り返し決勝点をお膳立て

駒澤大高の攻撃陣を牽引する岩井。今後が楽しみな逸材だ。写真:松尾祐希

 ボールタッチが柔らかく、ゴール前の嗅覚も鋭い。亀田雄人監督が「彼はスマートにできるタイプ」と評するように賢さもある。まだまだ荒削りでフィジカルやメンタリティに課題は見えるが、伸びしろは無限大だ。

 6月15日、インターハイの東京都予選の準決勝が行なわれ、駒澤大高が國學院久我山に1-0で勝利して、9大会ぶり2度目の出場を決めた。

 激闘を制し、歓喜の瞬間を迎えた駒澤大高で存在感を示した選手がいる。背番号9を背負うFW岩井優太(2年)だ。

 3-4-2-1の最前線に入ったストライカーはボールをうまく収めつつ、積極的にゴールを狙って相手の脅威となった。22分にはFW内田龍伊(3年)のラストパスをペナルティエリア内左で受けると、相手DFを外して右足を振り抜く。股を抜いたシュートは相手GKに阻まれたが、冷静かつアイデアに富んだフィニッシュだった。
 
 後半は途中からシャドーに回り、代わって最前線に入ったFW岸本空(3年)をサポートしながら、アグレッシブなプレーで攻撃陣を牽引。0-0で迎えた最終盤の77分にはMF矢島礼偉(3年)のFKにファーサイドで反応し、頭で中央に折り返す。岸本の決勝点をアシストし、チームに夏の全国行きをもたらした。

――◆――◆――

 岩井は小学校5年生の時に親の仕事の関係で北九州に移り住み、中学では県内の強豪校として知られていた思永中のサッカー部に所属。FWのレギュラーとしてプレーし、1年次には第34回九州中学校U-14サッカー大会に出場する。

 その後は2年次に福岡県選抜に選出されるなど、右肩上がりで成長を続けた。だが、3年生に進級したタイミングで、元々住んでいた東京に再び移住。「東京のサッカー事情に詳しくなかった」という理由で、通っていた港区立港南中のサッカー部でプレーを続けた。

 ただ、決してレベルが高いわけではなく、同学年の仲間は5、6人しかいない環境でチームも最後の夏は地区予選で早々に敗退。アピールする機会に恵まれず、そのなかで文武両道を目ざして駒澤大高への進学を決めた。

【画像】小野伸二や中村憲剛らレジェンドたちが選定した「J歴代ベスト11」を一挙公開!

次ページ「タイトルを掴めたので自信を得られた」

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事