湘南DF髙橋直也が甲南大戦で思い出した“原点”「純粋にサッカーを楽しむ」【天皇杯】

2024年06月13日 岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

「気迫を感じました」

甲南大戦で右ストッパーとして先発した髙橋。写真:滝川敏之

 6月12日、湘南ベルマーレは天皇杯2回戦で兵庫県代表の甲南大と対戦した。

 試合の立ち上がりから相手を押し込むと、37分に小野瀬康介のミドルシュートを山田直輝がボックス内でコースを変えて流し込み、先制に成功する。その後、49分にセットプレーから同点に追いつかれるも、終盤にルキアンがPKを含む2ゴールを挙げ、3-1で勝利した。

 試合後、相手の甲南大にはガンバ大阪の下部組織時代や関西大時代の顔見知りも多いという髙橋直也が、プロ入り前の昨年まで切磋琢磨した選手たちとの対戦を振り返った。

「甲南大キャプテンの當間颯は、ガンバユース時代のひとつ後輩です。当時は寮生活だったので、部屋で一緒に遊んだりする仲だった。今日も試合前に挨拶に来てくれました。可愛い後輩ですね(笑)。

 甲南大は、昨年は(関西学生リーグの)2部だったので、対戦しませんでしたが、自分が3年生の時に何度か戦いました。なので、知っている顔も何人かいたんですけど、今日の彼らは当時よりも手強かった。最後のところを粘り強く守られたり、セットプレーで追いつかれたりと、気迫を感じました」
【PHOTO】勝利を願い選手と共に闘った湘南ベルマーレサポーター
 一度、同点に追いつかれただけでなく、複数の決定機を阻止され、ビルドアップでプレスを回避されたりと、甲南大に多くの好プレーを発揮された一戦だった。やはり、J1クラブとの対戦は、大学生にとって燃えるものがあるのだろう。

 昨季の天皇杯で関西大の一員として浦和レッズと対戦した髙橋は、当時を思い出しつつ、甲南大戦で改めて感じたものを明かした。

「自分たちもそうでしたが、大学生はみんな、プロとやるのが楽しみなんです。今日も、ピッチに入る前から、すごく楽しそうな雰囲気がありましたよね。失うものは無いし、ポジティブな気持ちでノビノビと戦える。逆に僕らは彼らの姿勢を見て、純粋にサッカーを楽しむという原点のところを思い出せたゲームになりました」

 もちろん、プロとして責任感を持って戦うのも大事だろう。ただ、同じようにどれだけ楽しめるかも重要だと言える。特に、観る者があっと驚くアイデアやテクニックが売りの髙橋は、楽しめている時にこそ真価を発揮できるはずだ。

 チームは現在J1で18位と苦しい状況だが、今こそユニホームのエンブレム下に刻まれた"たのしめてるか。"の精神を思い出して戦ってもらいたい。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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