【移籍専門記者】C・ロナウドのパリSG移籍に進展――。水面下でクラブ間の接触がスタートする

2016年04月25日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

パリSGは昨夏以上のアクションを今夏に起こすはずだ。

今シーズンも1試合・1得点以上のペースでゴールを量産するC・ロナウド。このメガスターのパリSG移籍という「世紀のビッグディール」は実現するのか?(C)Getty Images

 クリスチアーノ・ロナウドを見て、「普通の人間ではない」と思ったとしても、それは自然なことだ。今シーズンはここまでリーガ・エスパニョーラで31得点、チャンピオンズ・リーグで16得点、合わせて44試合で47ゴールも挙げているのだ。これが普通の地球人に可能なことだとは到底思えない。
 
 C・ロナウドとレアル・マドリーは、個人としてもチームとしてもあらゆるタイトルに手をかけている。背番号7のエースがいないマドリーなど想像もできない。フロレンティーノ・ペレス会長は「彼はこのクラブでキャリアを終えるだろう」と何度も繰り返してきた。
 
 しかし、それは本当なのだろうか? もしありえないほどのオファーが飛び込んできたら? C・ロナウドとの関係が悪化しているペレスの心が、大きく揺れ動くことは間違いないだろう。
 
 そんな破廉恥なオファーを提示できるクラブは世界にひとつしかない。カタールの王族が率いるパリ・サンジェルマンだ。これは単なる仮定の話ではない。パリSGはいつ、どのようにアプローチすればC・ロナウドを手に入れることができるのか、今も真剣に検討を続けている。
 
 パリSGは昨夏以上の大きなアクションを、今夏に起こすはずだ。その交渉の糸口を掴むため、ここにきて仲介人を通してマドリーに水面下で接触を始めた。
 
 C・ロナウドの代理人を務めるジョルジュ・メンデスはもちろんその情報を掴んでいるが、今のところ静観を決め込んでいる。C・ロナウド&メンデスがパリSGと接触しているという一部報道には、なんの裏付けもない。まだ当事者間の接触は一切行われていないのだ。
 
 C・ロナウドのパリSG移籍という「世紀のビッグディール」は、本当に実現するのか? もしマドリーが5月にリーガとチャンピオンズ・リーグのタイトルを獲れば、C・ロナウドにとってもマドリーにとってもひとつの大きな区切りになるだろう。ストーリーが一気に動き出す可能性はある。
 
文:ジャンルカ・ディ・マルツィオ
翻訳:片野道郎
 
※当コラムではディ・マルツィオ氏のオフィシャルサイトにも掲載されていない『サッカーダイジェストWEB』だけの独占記事をお届けします。
 
【著者プロフィール】
Gianluca DI MARZIO(ジャンルカ・ディ・マルツィオ)/1974年3月28日、ナポリ近郊の町に生まれる。パドバ大学在学中の94年に地元のTV局でキャリアをスタートし、2004年から『スカイ・イタリア』に所属する。元プロ監督で現コメンテーターの父ジャンニを通して得た人脈を活かして幅広いネットワークを築き、「移籍マーケットの専門記者」という独自のフィールドを開拓。この分野ではイタリアの第一人者で、2013年1月にグアルディオラのバイエルン入りをスクープしてからは、他の欧州諸国でも注目を集めている。
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