【岩本輝雄のオタクも納得!】広島のハイブリッドな「ホットライン」がステージ制覇へと導くか

2016年04月25日 岩本輝雄

ポジショニングに優れる柴崎は本来の力を発揮できず…。

36歳となった今季も躍動感溢れるプレーを見せるミキッチは健在。自慢の突破力を駆使し、右サイドからチャンスを演出する。写真:徳原隆元

 疲労度は相当なものだったと思う。
 
 広島は今月5日にタイでACLのブリーラム・ユナイテッド戦(2-0)、10日はアウェー鹿島戦(1-4)、15日はホームで新潟と戦い(1-0)、20日には今度は中国でACLの山東魯能戦(0-1)があり、迎えたアウェーの横浜戦だった。

【横浜1-2広島 PHOTOギャラリー】
 
 他のACL組ももちろん大変だとは思う。それでも、ここ最近の広島の連戦はアウェーゲームが多くて、選手たちはかなり疲れ切っていたんじゃないかな。
 
 だから今回の横浜戦も、厳しい試合になると見ていた。実際、相手のライン間のギャップを巧みについて、パスを引き出すポジショニングが冴える柴崎も、本来の実力を発揮できていなかったように思う。柴崎は4日前の山東魯能戦は途中出場だったとはいえ、長距離移動だけでも体力は奪われるものだ。
 
 それでも、広島は横浜を相手に2-1の勝利を収めた。ホームなのに序盤からほとんどプレッシャーをかけてこなかった横浜の低調な出来に助けられた部分はあったにせよ、ウタカがきっちりとチャンスをモノにして、チームはリーグ戦で2連勝を達成。ACL敗退のショックを払拭できたかは分からないけど、ステージ制覇を見据えれば、大きな1勝だった。
 
 勝利の要因は、なによりもミキッチが効いていた。彼は山東魯能戦には帯同していなくて、そうしたターンオーバーを非難する声もあったようだけど、森保監督のマネジメントに応える形で、横浜戦での活躍ぶりは特筆すべきものだった。
 
 いつものように、持ち前の突破力をいかんなく発揮して右サイドを深くえぐり、攻撃の突破口を開いていく。クロスの精度も高く、後半の決勝点となったウタカの2点目をアシストしたのもミキッチだった。
 
 広島はCF+2シャドーのコンビネーションが大きな武器で、相手は中央を締めてくるケースが往々にしてある。それだけに、右WBのミキッチ、あるいは左の柏が攻撃の鍵を握るわけで、今後の巻き返しを考えれば、"両翼"の出来が重要になってくるだろう。

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